ブロック塀の控え壁後付け費用はいくら?補助金や法的基準を徹底解説

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ブロック塀の控え壁後付け費用はいくら?補助金や法的基準を徹底解説

こんにちは。お庭マエストロ、運営者の「なおと」です。

最近、各地で地震のニュースを見るたびに、「うちのブロック塀、結構古いけど大丈夫かな?」と不安になることはありませんか?

実は、昭和の時代に建てられたブロック塀の多くが、現在の建築基準法が定める安全性や高さの基準を満たしていない「既存不適格」の状態にあると言われています。特に、塀を支えるための「控え壁」がなかったり、あっても間隔が広すぎたりするケースは非常に多いんです。

万が一の倒壊リスクを考えると、早めに補強や撤去を検討したいところですが、やはり一番のネックになるのは「費用」ですよね。「後付けで補強できるの?」「DIYで安く済ませる方法はない?」「耐震診断や点検はどうすればいい?」といった疑問から、補助金制度の有無まで、皆さんが知りたい情報をまるっと整理してみました。

この記事で解決できること

  • ブロック塀に控え壁を後付けする際の具体的な費用相場と工法の違い
  • 建築基準法で定められた高さや間隔などの法的ルールと安全性
  • 補助金を活用して工事費用を賢く抑えるための申請ステップ
  • 補強だけでなく撤去やフェンス新設を含めた最適な選択肢の比較

ブロック塀への控え壁後付け費用と法的基準

ブロック塀への控え壁後付け費用と法的基準

「とりあえず補強したい!」と思っても、法律の基準を知らないと、せっかくお金をかけても「違法状態」が解消されないなんてことになりかねません。ここでは、まず押さえておくべき建築基準法のルールと、それを満たすための具体的な工法、そしてそれぞれの費用感について詳しくお話しします。

建築基準法の高さや間隔の基準

ブロック塀の安全性について考えるとき、避けて通れないのが「建築基準法施行令第62条の8」です。ちょっと難しそうに聞こえるかもしれませんが、ポイントをしっかり押さえておきましょう。ご自宅の塀が「安全」か「危険」かを分ける、非常に重要な境界線になります。

まず、最も重要なのが「3.4メートルルール」です。 法令では、補強コンクリートブロック造の塀の高さが1.2メートルを超える場合、塀の長さ3.4メートル以下ごとに控え壁を設置しなければならないと定められています。

高さ1.2メートルというと、大体大人の胸の高さくらいです。これより高い塀で、もし3.4メートルごとに直角に飛び出した支え壁がないとしたら、それは現行の基準を満たしていない「既存不適格」と呼ばれる状態である可能性が非常に高いです。

なぜこのルールがあるかというと、地震の揺れ(水平力)に対して、塀が一枚の板のままだと簡単にパタンと倒れてしまうからです。控え壁は、つっかえ棒の役割を果たし、転倒を防ぐための「命綱」なんです。さらに、控え壁自体のサイズにも厳格な決まりがあります。

控え壁のサイズと構造のルール

単にブロックが飛び出していれば良いわけではありません。以下の要件を満たす必要があります。

  • 突出寸法:壁面から「塀の高さの5分の1以上」飛び出していること。(例:高さ2mなら40cm以上)
  • 配置間隔:3.4m以内ごとに設置すること。
  • 基礎構造:本体の塀と基礎部分で一体となっていること。

また、高さそのものにも制限があり、現在の法律では最高で2.2メートル以下にする必要があります。これに加え、壁の厚さも高さ2メートル以下の場合は10cm以上(実際は12cm以上が推奨されることが多いです)、2メートルを超える場合は15cm以上必要といった細かい規定があります。

2018年の大阪府北部地震では、小学校のプールサイドにあったブロック塀が倒壊し、痛ましい事故が起きました。この事故をきっかけに、全国で点検が進みましたが、個人の住宅でも同様のリスクが潜んでいます。「うちは昔からあるから大丈夫」ではなく、「昔からあるからこそ劣化していて危ない」という認識を持つことが、安全対策の第一歩です。国土交通省も、既存の塀の安全点検を強く推奨しています。

参考

公的機関のチェックリスト ご自宅の塀を簡易的にチェックするためのポイントが、国土交通省のサイトで公開されています。まずはこれを見て、危険度をセルフチェックしてみるのも良いでしょう。 (出典:国土交通省『ブロック塀等の安全対策について』

耐震補強金物FITパワー等の活用

耐震補強金物FITパワー等の活用

「基準はわかったけど、そんなに大きな控え壁を作るスペースなんてないよ!」という方も多いですよね。特に隣地との境界ギリギリに立っている塀や、駐車場の脇にある塀の場合、40cmも50cmも敷地側に飛び出させるのは、車の出し入れができなくなったり、通路が塞がれたりして現実的ではありません。

そこで最近、都市部の狭小地を中心に採用が増えているのが、「FITパワー」をはじめとする金属製耐震補強金物です。 これは、コンクリートブロックを積んで控え壁を作る代わりに、強靭な鋼鉄製の柱で塀を支えるという工法です。

この工法の最大のメリットは、なんといっても圧倒的な省スペース性です。 従来のコンクリートブロックによる控え壁だと、厚みを含めて約50cm〜60cmほどのスペースが必要でしたが、金属製金物ならその半分以下のスペースで済むこともあります。また、見た目もスマートで、圧迫感が少ないのも特徴です。

施工面でも大きな違いがあります。ブロックを積む「湿式工法」の場合は、基礎を掘って、鉄筋を組んで、モルタルが乾くのを待って…と数日かかりますが、FITパワーなどの「乾式工法」であれば、最短1〜2日で工事が完了します。中には、既存の基礎を壊さずに設置できる「ダイヤモンドコア穿孔」を用いたタイプもあり、騒音や粉塵を抑えられる点も近隣への配慮として優れています。

比較項目 ブロック積載(従来工法) 耐震補強金物(FITパワー等)
特徴 既存と同じブロックで作成し一体化 高強度の金属支柱で外部から補強
必要スペース 大(壁面から40〜60cm程度突出) 小(壁面から15〜20cm程度で済む製品も)
工期 3日〜1週間程度(養生期間含む) 1日〜2日程度
費用目安 1箇所 4〜8万円前後 1箇所 10〜15万円前後
デメリット 庭が狭くなる、通行の邪魔になる 材料費が高額、金属的な見た目が浮く場合がある

ただし、表を見てわかる通り、費用は高めになります。製品自体が高性能な金属加工品であるため、材料費がどうしても高くなるんです。「お金をかけてでもスペースを確保したい」という場合や、「そもそも物理的にブロックが積めない」という場合には、この金属補強が唯一無二の解決策になることが多いですね。

DIY方法や金具使用のリスク

DIY方法や金具使用のリスク

インターネットで「ブロック塀 補強 DIY」などと検索すると、自分で補強する方法や、ホームセンターで売っている金具を使って安く済ませようとする記事が見つかることがあります。「業者に頼むと数十万円かかるって言われたし、自分でなんとかしたい…」という気持ち、DIY好きな私としても痛いほどわかります。

しかし、ここでは心を鬼にしてはっきりとお伝えしなければなりません。

法的な強度を満たすレベルのブロック塀の控え壁後付けをDIYで行うのは、極めて危険であり、絶対に推奨できません。

よくある勘違いが、ホームセンターで見かける「ラティス固定用金具」や「ブロック挟み込み金具」を使って支柱を立てようとするケースです。これらは、あくまで目隠し用の軽い木製フェンスやラティスを支えるためのものであり、地震時に数百キログラム、あるいはトン単位の重量がかかるコンクリートブロック塀の転倒モーメント(倒れようとする力)を支える強度は全くありません。地震が来たら、金具ごと引きちぎられて倒壊します。

また、本格的にブロックやコンクリートで控え壁を作ろうとする場合、最大の難関は「既存の基礎と新しい基礎の連結」です。ただ地面の上にブロックを置いただけでは、地震の揺れで控え壁自体が滑って動いてしまい、何の役にも立ちません。

プロの施工では、「あと施工アンカー」という特殊な技術を使い、既存のコンクリート基礎にドリルで穴を開け、ケミカル樹脂を使って鉄筋を化学的に定着させます。このとき、ドリルの深さ、穴の中の清掃、樹脂の充填量、硬化時間の管理などが完璧でないと、本来の強度は出ません。これを素人が見様見真似で行うのは、構造上のリスクが高すぎます。

DIY施工が招く最悪のシナリオ

中途半端な知識で取り付けた控え壁は、地震の際に本体の塀とはバラバラの動き(挙動)をしてしまいます。その結果、かえって塀のバランスを崩して倒壊を早めたり、控え壁自体が倒れてきて避難しようとした家族の足を直撃したりする「凶器」になるリスクさえあります。

さらに、万が一DIYで補強した塀が倒れて誰かを傷つけてしまった場合、所有者責任(民法第717条)を問われますが、「素人工事で強度が不足していた」となれば、過失責任は免れません。命と財産を守るための工事ですから、ここだけはプロの技術にお金を払うべき部分だと私は強く思います。

耐震診断や点検を行う資格の確認

耐震診断や点検を行う資格の確認

 

「DIYがダメなのはわかった。じゃあ、どの業者に頼めばいいの?」という話になりますよね。いきなり工事の見積もりを取る前に、まずは現状を正しく把握するための「診断」が必要です。

相談先として最も信頼できるのは、「ブロック塀診断士」という資格を持っている専門家です。この資格は、公益社団法人日本エクステリア建設業協会が認定しているもので、ブロック塀の構造や劣化状況を判定するプロフェッショナルです。

彼らは、単に見た目が汚れているかどうかだけでなく、以下のような専門的なチェックを行ってくれます。

  • 打診検査:ハンマー等で壁を叩き、内部の空洞や剥離がないか音で判断する。
  • 鉄筋探査:電磁波レーダーなどの専用機器を使って、コンクリートの中にきちんと鉄筋が入っているか、ピッチ(間隔)は適切かを調べる。
  • 傾き・ひび割れ計測:塀が傾いていないか、ヘアクラック(細かいひび)が構造に影響するレベルかを確認する。
  • 基礎の確認:必要であれば一部を掘削して、根入れ深さが十分かをチェックする。

診断費用は、業者や塀の規模にもよりますが、目視中心の簡易診断で数千円〜、機器を使った精密診断で3万円〜5万円程度が相場です。「高いな」と感じるかもしれませんが、無駄な工事をしないため、あるいは本当に危険な箇所をピンポイントで直すためには必要な初期投資です。

また、施工に関しては「コンクリートブロック工事士」が在籍している会社や、お住まいの自治体の「補助金対象工事の登録業者」リストから探すのが安心です。一般的なリフォーム会社や便利屋さんの場合、内装工事は得意でも、ブロック塀の構造基準(建築基準法)については詳しくないケースも多々あります。「安くやりますよ」と言われて頼んだら、鉄筋が入っていなかった…なんてことにならないよう、資格の有無は必ずホームページなどでチェックしましょう。

施工方法による価格の違い

費用の話をもう少し具体的に掘り下げてみましょう。相見積もりを取ると、A社は15万円、B社は30万円と、金額が全然違うことがよくあります。これは、単に高い・安いだけでなく、採用している「工法」や「見積もりの前提条件」が違うからです。主な要因を見てみましょう。

1. 湿式工法(コンクリートブロック積み増し)のコスト構造

材料費(ブロックやセメント代)自体は比較的安価です。しかし、この工法で最も費用がかかるのは「人件費」と「基礎工事」です。

控え壁を作るには、地面を30cm以上深く掘り下げる必要があります。もし、現場が狭くて小型のユンボ(ショベルカー)が入らない場合、職人さんが人力で土を掘り、重い残土を手押し車で搬出することになります。この「手掘り・小運搬」の手間が発生すると、労務費が跳ね上がります。

2. 乾式工法(金属製補強金物)のコスト構造

こちらは逆に、「材料費」の比率が非常に高いです。製品一つで数万円〜十万円近くするため、原価が高くなります。

一方で、大掛かりな掘削や養生期間(コンクリートが乾くのを待つ時間)が不要なため、施工日数は短縮でき、人件費は抑えられます。結果として、総額では湿式工法より高くなる傾向がありますが、工事中のストレス(騒音や工期の長さ)をお金で解決するイメージに近いです。

3. その他の変動要因

  • ハツリ工事費:既存のコンクリート土間(駐車場の床など)を壊して基礎を作る場合、コンクリートを砕く費用が追加されます。
  • 残土処分費:掘り出した土やコンクリートガラを廃棄する費用です。
  • 狭小地割増:隣家との隙間が狭く、作業効率が悪い場合の追加料金です。

適正価格を見極めるためには、「一式 ○○万円」というどんぶり勘定の見積もりではなく、「掘削○○㎥」「鉄筋○○kg」「アンカー○○本」といった詳細明細を出せる業者を選定することが鉄則です。中身がわからないと、どこで手抜きをされるかわかりませんからね。

ブロック塀の控え壁後付け費用と補助金活用

ここまでは「出ていくお金(費用)」の話を中心にしてきましたが、ここからは「入ってくるお金(補助金)」の話と、長期的な視点で最も経済合理性の高い選択肢は何かについて考えていきましょう。実は、無理に補強するよりも、「ある決断」をした方が、トータルの出費が抑えられるケースも多いんです。

補助金や助成金の申請と注意点

ブロック塀の倒壊は、持ち主だけでなく通行人や近隣住民を巻き込む公衆災害につながるため、多くの自治体が対策工事に対する補助金制度を設けています。例えば、大阪市や高槻市など、過去に地震被害を受けた地域では特に制度が充実しています。

補助の内容は自治体によって様々ですが、一般的には以下のようなパターンが多いです。

  • 撤去工事への補助:道路に面した危険なブロック塀を撤去する場合、工事費の1/2〜2/3程度(上限10万円〜15万円など)を補助。
  • 新設工事への補助:撤去した後に、軽量なフェンスや生垣を作る場合、その費用の一部を補助。

ここで重要なのが、「控え壁の後付け(補強工事)」が補助対象になるかどうかです。実は、「危険な塀をなくすこと(撤去)」にはお金を出すけれど、「古い塀を残すための補強」には補助金を出さない、という自治体も少なくありません。お住まいの地域の役所ホームページで「ブロック塀 補助金 ○○市」と検索し、要綱をよく確認する必要があります。

【最重要】申請のタイミングは絶対厳守!

補助金をもらうための絶対的なルールは、「契約・着工前に申請すること」です。これはどの自治体でもほぼ共通です。 工事が終わってから「領収書あるからお金ください」と言っても、100%もらえません。必ず、業者と契約する前に役所の建築課などの窓口へ事前相談に行き、申請書を提出して「交付決定通知」を受け取ってから工事を始めてください。

撤去してフェンス新設する選択肢

撤去してフェンス新設する選択肢

費用対効果や安全性をトータルで考えると、実は私が一番おすすめしたいのが「カットダウン(減築)」という方法です。

これは、塀を全部壊すのではなく、控え壁が必要な高さ(1.2m超)の部分だけをカットして低くし、その上に軽いアルミフェンスなどを設置する方法です。

具体的には、既存のブロック塀の上部数段を解体し、残ったブロック(例えば高さ60cm〜80cm程度)の天端(てんば)をきれいに補修します。その上で、コア抜きという作業で穴を開け、アルミフェンスの柱を立ててフェンスを取り付けます。

この方法には、控え壁の後付けにはない、計り知れないメリットがいくつもあります。

  • 法的リスクの解消:塀の高さを1.2m以下に下げることで、建築基準法上の「控え壁設置義務」の対象外となります。つまり、狭い庭に無理やり控え壁を作る必要がなくなります。
  • 倒壊リスクの激減:重たいブロック頭部がなくなることで重心が下がり、地震時の揺れに対する安定性が劇的に向上します。万が一倒れても、被害は最小限で済みます。
  • 補助金の対象になりやすい:多くの自治体で、「危険ブロック塀の撤去(一部撤去を含む)」は補助金の対象となります。上部カットも「一部撤去」とみなされるケースが多いため、費用負担を軽減できる可能性が高いです。
  • 住環境の改善:風通しや日当たりが良くなり、閉鎖的だった庭が明るくなります。また、最新のフェンスにすることで、家の外観もリフレッシュされます。

古いブロック塀に高いお金をかけて控え壁をつけても、ブロック自体の老朽化(コンクリートの中性化)は止まりません。「せっかく補強したのに、数年後にブロックがボロボロ崩れてきた」となっては本末転倒です。それなら、危険な頭の部分だけ軽くして、見た目もきれいなフェンスにした方が、将来的にも安心ですし、資産価値の維持にもつながると私は思います。

撤去費用と新設費用のバランス

「でも、やっぱりフェンスにする方が高いんじゃないの?」と心配される方も多いと思います。そこで、長期的な視点(ライフサイクルコスト)も含めて、お財布への影響を比較してみましょう。

実は、見積もりを取ってみると、「控え壁の後付け」と「カットダウン+フェンス設置」の費用差は、想像しているほど大きくないことが多いんです。

比較プラン 初期費用目安 メリット デメリット・リスク
A. 控え壁後付け (既存維持) 中〜高 (1箇所10〜15万円〜) ※基礎工事難航で増額あり 今の塀の形をそのまま残せる。 目隠し機能を維持できる。 塀の汚れ・劣化はそのまま。 庭が狭くなる。 本体寿命が来たら再工事が必要。
B. 全撤去+新設 (完全リニューアル) 高〜最高 (数十万円〜100万円超) ※撤去費+新設費のダブル 完全に新品で安心。 最新のデザインにできる。 耐用年数30年以上。 とにかく初期費用が高い。 工期が長い。 工事中の防犯性が下がる。
C. カット+フェンス (減築リフォーム) (撤去費+フェンス代) ※補助金活用で圧縮可能 見た目一新・安全確保。 補助金対象になりやすい。 通風・採光が良くなる。 解体の騒音・粉塵が出る。 完全な目隠しには高さ不足の場合も。 (目隠しフェンスで対応可)

ここで注目すべきは、「将来のメンテナンス費用」です。

プランA(後付け)の場合、今の出費は抑えられても、ベースとなるブロック塀自体は古いままです。もし5年後、10年後にブロックの劣化が進んでひび割れだらけになったら、結局は全撤去が必要になります。その時、せっかく大金をかけて作った控え壁も一緒に壊すことになります。これって、すごくもったいないと思いませんか?

一方、プランC(カット+フェンス)なら、上部の重量物がなくなるため、残った下部ブロックへの負担も減り、延命効果が期待できます。さらに、フェンス自体はアルミ製であれば錆びることもなく、メンテナンスはほぼ不要です。

「補助金が出るのは撤去工事だけ」という自治体の場合、プランAでは全額自己負担ですが、プランCなら撤去部分に補助金が出るため、実質的な負担額が逆転してプランCの方が安くなるケースさえあります。目先の金額だけでなく、「10年後、20年後にどうなっていたいか」を想像して選ぶのが、賢い選択だと言えますね。

信頼できる業者の選び方

最後に、最も重要な「業者選び」についてお話しします。どんなに良い工法を選んでも、施工する職人さんの腕や、会社の姿勢が悪ければ、安全はお金で買えません。ブロック塀の改修工事に関しては、以下のポイントを満たす業者を選ぶことを強くおすすめします。

1. 補助金の申請実績が豊富であること

これが一番分かりやすい「良い業者のバロメーター」です。 補助金の申請には、工事前の現況写真(全景、配筋状況など)、詳細な図面、見積書の内訳明細、そして役所との事前協議など、非常に面倒で専門的な事務作業が必要です。

「補助金?面倒くさいから使わなくていいですよね?」とか「うちではやってません」という業者は、そもそもブロック塀の安全基準に対する意識が低いか、きちんとした図面が描けない可能性があります。逆に、「○○市の補助金ですね、書類作成もお手伝いしますよ」と言ってくれる業者は、地域での施工実績が豊富で、行政の厳しいチェックをクリアした工事を行っている証拠でもあります。

2. 「一式見積もり」を出さないこと

見積書をもらったら、必ず中身を見てください。「ブロック塀改修工事 一式 30万円」としか書いていない見積書は、危険信号です。 信頼できる業者の見積書には、以下のような項目が細かく記載されています。

  • 仮設工事(養生費など)
  • 解体工事(撤去数量 ㎥ または ㎡)
  • 残土処分費(処分数量 ㎥)
  • 基礎工事(掘削深さ、コンクリート打設量)
  • 鉄筋工事(使用する鉄筋の径、アンカーの本数)

ここまで書かれていれば、もし他社と比較したときに「なぜこの金額なのか」が明確になりますし、工事内容をごまかされるリスクも減ります。

3. 有資格者が在籍・監修していること

先ほど紹介した「ブロック塀診断士」や「一級・二級エクステリアプランナー」、「コンクリートブロック工事士」といった資格を持つスタッフがいるかどうかも確認しましょう。ホームページの「会社概要」や「スタッフ紹介」のページを見れば載っていることが多いです。

特に、ブロック塀は「建築構造物」です。ただブロックを積めばいいという左官工事とは違い、地震の力学を理解した設計が必要です。地元の外構専門業者(エクステリア専門店)であれば、こうした知識を持ったプロが在籍している確率が高いです。逆に、何でも屋さんのような便利屋業態だと、専門的な構造計算までは難しい場合があるため、注意が必要です。

ブロック塀の控え壁後付け費用の総括

ブロック塀の控え壁後付け費用の総括

ここまで、ブロック塀の控え壁後付け費用や、それにまつわる法律、補助金、そして代替案について長々とお話ししてきました。

正直なところ、ブロック塀の改修は、キッチンやお風呂のリフォームと違って、やっても生活が便利になったり、楽しくなったりするものではないかもしれません。「できればお金をかけたくない」というのが本音でしょう。

でも、ブロック塀の事故は、ある日突然起こります。そして、それが起きてしまった時、「知らなかった」では済まされない大きな責任が所有者にのしかかります。何より、大切な家族や、通学中の子供たちの命を守るための対策は、何物にも代えがたい価値があるはずです。

今回の記事のポイントをもう一度振り返ってみましょう。

  • 既存不適格の危険性:高さ1.2m超で控え壁がない塀は、倒壊リスクが高い。
  • 後付けの選択肢:ブロック積載は安価だがスペースが必要。FITパワー等は高価だが省スペース。
  • DIYは絶対NG:構造的な強度が確保できず、かえって危険な凶器を作る恐れがある。
  • おすすめはカットダウン:上部を撤去してフェンスにすることで、安全・安価・快適を実現できる。
  • 補助金は必須:必ず「契約前」に申請。撤去メインの補助金が多いので要確認。

まずは、ご自身の家の塀を改めて眺めてみてください。そして、少しでも不安を感じたら、ブロック塀診断士などの専門家に相談し、現状を把握することから始めてみましょう。

この情報が、皆さんの安全で安心な住環境づくりの一助となれば、お庭マエストロとしてこれ以上嬉しいことはありません。 正確な情報は各自治体の公式サイトで最新の補助金情報を確認し、最終的な判断は信頼できる専門家にご相談くださいね。

 

  • この記事を書いた人

なおと

はじめまして! 知識ゼロからDIYでの庭づくりに挑戦し、たくさんの失敗を乗り越えてきた経験を元に、初心者さんがつまずきやすいポイントを丁寧に解説しています。雑草だらけだった庭が、少しずつお気に入りの空間に変わっていく喜びを、あなたと分かち合えたら嬉しいです。 詳しいプロフィールはこちら »

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