新築の庭がなぜか石だらけで、家庭菜園やガーデニングを始められずにお困りではありませんか?
庭の土を掘り起こすたびにゴロゴロと石が出てくると、途方に暮れてしまいますよね。
この記事では、そんな悩みを解決するために、庭の石を取り除く具体的な方法を徹底解説します。
手作業で使える便利な道具から、効率的な機械の利用法、さらにはレンタル情報まで、状況に応じた最適なアプローチが見つかるはずです。
小石を除去する道具の選び方や、大変な大きな庭石を処分する方法についても詳しくご紹介。
また、畑の石を取り除く方法だけでなく、石だらけの庭でも諦めずに木を植えるコツや、おすすめのグランドカバー、さらにはDIYで石拾い機を自作する方法まで網羅しました。
取り除いた後、庭から出た石の活用法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ポイント
- 手作業から機械利用まで、状況に応じた石の除去方法がわかる
- 石の処分方法や費用、再利用のアイデアがわかる
- 石だらけの庭でもガーデニングを楽しむコツがわかる
- 作業を効率化する道具や機械の具体的な情報が得られる
道具を使って庭の石を取り除く基本
- 新築の庭が石だらけになる原因とは
- まずは畑の石を取り除く方法を知ろう
- 細かい小石の除去に便利な道具
- DIYでできる石拾い機の自作方法
- 大きな庭石を処分する際のポイント
新築の庭が石だらけになる原因とは?
新築の庭が石だらけで悩んでいる方は少なくありません。
その主な原因は、住宅を建てる際の造成工事にあります。
土地を平らにしたり、高さを調整したりする過程で「盛土(もりど)」や「整地」が行われますが、この時に使われる土に原因が隠されています。
盛土に使われる土は、山砂や他の場所から運ばれてきた土が一般的です。
これらの土には、もともと石や砂利が多く含まれているケースが珍しくありません。
さらに、コストを抑えるために、解体現場で出たコンクリートガラなどの建設廃材が混じった「残土」が使われることもあります。
そのため、見た目はきれいな土で覆われていても、少し掘り返すと中からゴロゴロと石やガラが出てくるのです。
また、工事車両が敷地内を何度も往復することで、土が固く踏み締められてしまうのも一因です。
固まった土の中では石がより取り除きにくくなり、作業をさらに困難にします。
このように、新築の庭が石だらけなのは、決して特別なことではなく、住宅建設の背景に起因するケースがほとんどなのです。
まずは石を取り除く方法を知ろう
庭から石を取り除く作業は、根気が必要ですが、正しい手順で行えば誰でも可能です。
まずは基本的な流れを理解しましょう。
結論から言うと、「範囲を決めて、耕し、石を拾い、ふるいにかける」というステップが最も効率的です。
一度に庭全体をやろうとすると、作業量の多さに挫折してしまう可能性があります。
そのため、まずは家庭菜園スペースや花壇など、目的の場所を1〜2平方メートル程度の小さな区画に区切って、少しずつ進めるのが成功の秘訣です。
基本的な作業手順
- 草刈りをする
作業範囲の雑草をきれいに刈り取ります。表面に見える大きな石もこの時点で拾っておくと良いでしょう。 - 土を掘り起こす(耕す)
スコップや鍬(くわ)を使って、土を20〜30cmほどの深さまで掘り起こします。土が固い場合は、つるはしを使うと効率的です。この時、土中にある大きな石や木の根に注意してください。 - 石やゴミを取り除く
掘り起こした土の中から、目に見える石やゴミ、植物の根などを手で拾い集めます。 - ふるいにかける
手で取り除けなかった小石を、「土ふるい」を使って分離します。これにより、作物が根を伸ばしやすい、サラサラの土に生まれ変わります。
この作業は、土が湿っていると重くて作業しにくいため、晴れの日が数日続いた後、土が乾いているタイミングで行うのがおすすめです。
大変な作業ですが、この一手間が後の植物の生育に大きく影響します。
細かい小石の除去に便利な道具
小石を効率よく取り除くためには、適切な道具を揃えることが重要です。
ここでは、DIYでの作業にあると便利な基本的な道具を紹介します。
多くの道具はホームセンターで手に入り、中には100円ショップで代用できるものもあります。
初期投資を抑えつつ、作業を楽に進めましょう。
道具名 | 主な用途 | ポイント |
---|---|---|
スコップ・シャベル | 土を掘り起こす、移動させる | 先端が尖った剣先スコップが固い土にも刺さりやすくおすすめです。 |
鍬(くわ) | 土を耕す、土塊を砕く | 広範囲を耕す際にスコップより効率的です。備中鍬は固い土にも向いています。 |
つるはし | 固く締まった土を砕く | 造成地など、特に土が固い場合に非常に役立ちます。 |
土ふるい(フルイ) | 土と小石を選別する | 園芸用の丸いものが一般的。網目の大きさを変えられるタイプが便利です。 |
レーキ(熊手) | 表面の石を集める、地面をならす | 掘り起こした後の表面の石を集めるのに役立ちます。 |
てみ(手箕) | 土や石を運ぶ | 大きなちりとりのような道具。拾った石や土を効率よく運べます。 |
一輪車(ネコ車) | 大量の土や石を運搬する | 作業範囲が広い場合や、大量の石が出る場合に必須です。 |
作業用手袋・長靴 | 手の保護、足元の安全確保 | ガラス片などが埋まっている可能性も。厚手のゴム手袋や安全長靴が安心です。 |
ちょっとした工夫で作業効率アップ!
家庭用の「小麦粉ふるい」や「ザル」も、少量の土をふるいにかける際に意外と役立ちます。
特にプランターの土を再利用する際など、小規模な作業で重宝します。
DIYでできる石拾い機の自作方法
大量の土をふるいにかける作業は、手持ちの園芸用ふるいだけでは非常に重労働です。
そこで、作業負担を大幅に軽減できる「石拾い機(土ふるい台)」を自作する方法を紹介します。
ポイントは、ふるいを台に乗せて、自分の体重をかけながら効率よく作業できるようにすることです。
一輪車など、既にあるものを活用することで、費用を抑えて作ることが可能です。
一輪車を活用した簡易ふるい台
- 大きめの角型ふるい(木枠のものなど)と一輪車を用意します。
- 一輪車の荷台部分に、2本の丈夫な木材や塩ビパイプを平行に渡します。
- その上に角型ふるいを設置します。ふるいが安定しない場合は、洗濯ばさみなどで固定すると良いでしょう。
- スコップで土をふるいに乗せ、ふるいを前後にスライドさせて土をふるいます。
この方法の最大のメリットは、ふるった後の細かい土が一輪車に直接溜まるため、土を移動させる手間が省ける点です。
ふるいに残った石は、別の場所に集めておきましょう。
もう少し本格的なものを作りたい場合は、木材で「A」の形をした脚を2つ作り、その頂点部分にローラーを取り付けた台を自作するのもおすすめです。
ローラーの上でふるいを滑らせることで、さらに軽い力で作業ができますよ。
大きな庭石を処分する際のポイント
特に処分に困るのが人の手では動かせないような大きな庭石です。
これらの石は、適切な方法で処分しないとトラブルの原因になることもあります。
まず大前提として、山や川などに無断で捨てることは「不法投棄」という犯罪になります。
必ず正規の方法で処分しましょう。処分方法は主に以下の3つです。
1. 自治体に回収を依頼する
自治体によっては、石や土を「処理困難物」として扱っており、回収不可の場合が多いです。
しかし、少量であれば燃えないゴミとして出せる、クリーンセンターに持ち込めば有料で引き取ってもらえるなど、独自のルールを設けている場合もあります。
まずは、お住まいの自治体のウェブサイトを確認するか、担当部署に問い合わせてみましょう。
2. 専門業者に依頼する
最も確実な方法が、専門業者に処分を依頼することです。
造園業者、石材店、解体業者、不用品回収業者などが対応してくれます。
費用はかかりますが、運搬から処分まで一貫して任せられるのがメリットです。
費用の相場は1kgあたり30円~40円程度が目安です。
これに加えて、重機を使用する場合はそのレンタル料(数万円~)や人件費、運搬費が別途かかります。業者によって料金体系が大きく異なるため、必ず複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行いましょう。
悪徳業者に注意!
「無料で引き取ります」と宣伝し、作業後に高額な費用を請求する悪徳業者が存在します。また、回収した石を不法投棄する業者もいます。
依頼する場合は、必ず事前に見積書をもらい、契約内容をしっかり確認することが大切です。
3. 個人に譲渡・売却する
形が良い庭石であれば、必要としている人がいるかもしれません。
地域の掲示板サービスやフリマアプリなどを利用して、引き取り手を探すのも一つの方法です。
運搬方法などを事前にしっかり話し合う必要がありますが、うまくいけば無料で処分できる可能性があります。
機械を使って庭の石を取り除く応用
- 畑の石を取り除く機械の種類と選び方
- 畑の石を取り除く機械のレンタル情報
- 石だらけの庭に木を植えるコツ
- 石だらけの庭におすすめのグランドカバー
- 庭から出た石の賢い活用法を紹介
- 計画的に庭の石を取り除くまとめ
畑の石を取り除く機械の種類と選び方
広い範囲の石を取り除く場合や、手作業に限界を感じた場合は、機械の導入を検討しましょう。作業効率が飛躍的に向上します。
家庭用のものからプロ仕様のものまで様々ですが、ここでは個人でも利用しやすい機械を中心に紹介します。
1. 家庭用耕運機

ナカトミ エンジン耕運機 ERC-43DQ ※出典:Amazon
畑を耕すための機械ですが、多くのアタッチメントが用意されています。
土を耕して柔らかくすることで、その後の石拾い作業が格段に楽になります。
一部のモデルには、土をふるいにかけるアタッチメント(ロータリーシープなど)を取り付けられるものもあります。
2. 電動式土ふるい機

みのる 電動ふるい機 100Vモーター付 網4mm目 SC-M ※出典:Amazon
手作業のふるいを電動化した機械です。
回転するドラム状の網に土を入れると、自動で土と石を分離してくれます。
手で振る必要がないため、体への負担が少なく、大量の土を効率よく処理できます。
価格は数万円からと高価ですが、作業量が多い場合には非常に有効です。
3. ストーンピッカー(トレンチャー)

ストーンピッカー-イダ-ST-1100S
※出典:(有)山口農園機工
これは主にプロの農家が使用する、トラクターに取り付けて使う大規模な機械です。
土を掘り起こしながら石だけを回収していくため、非常に効率的です。
個人で所有するのは現実的ではありませんが、農家の方に依頼できる場合や、専門業者がこの機械を使って作業してくれることがあります。
機械選びのポイント
どの機械を選ぶかは、作業する面積、予算、そして体力を考慮して決めましょう。
比較的小さな家庭菜園であれば家庭用耕運機で十分ですが、10坪を超えるような広い土地の場合は、電動ふるい機の導入や、次の項目で紹介するレンタルを検討するのが賢明です。
畑の石を取り除く機械のレンタル情報
「購入するには高価すぎるけれど、機械の力は借りたい」という場合に最適なのが、レンタルサービスの利用です。
必要な期間だけ機械を借りることで、コストを大幅に抑えられます。
耕運機や一部の専門機械は、以下の場所でレンタルできる可能性があります。
- 大手ホームセンター
一部の店舗では、工具や建設機械のレンタルコーナーが設けられています。家庭用耕運機などが比較的安価に借りられる場合があります。 - 農機具レンタル専門店
農業機械を専門に扱うレンタル業者です。家庭用の小型機からプロ用の大型機まで、幅広いラインナップが揃っています。 - 地域のJA(農協)
組合員向けに農機具のレンタルを行っている場合があります。地域によっては一般の人でも利用できることがあるので、問い合わせてみる価値はあります。
レンタルする際の注意点
レンタル料金は、機械の種類や期間によって異なりますが、家庭用耕運機であれば1日あたり数千円から1万円程度が相場です。
レンタルする際は、料金体系(時間貸しか日貸しか)、燃料の種類、運搬方法(自分で運ぶか、配送してもらうか)などを事前にしっかり確認しましょう。
また、操作方法についても、借りる際に必ずレクチャーを受けるようにしてください。
石だらけの庭に木を植えるコツ
庭全体の土壌を改良するのは大変ですが、ポイントを絞れば石だらけの庭でも木を植えることは可能です。
その秘訣は、植えたい場所だけを集中的に土壌改良する「植え穴客土(うえあなきゃくど)」という方法です。
植物が根を張るために必要なスペースだけ、良質な土に入れ替えてあげるのです。
植え穴の作り方
- 植えたい樹木の根鉢(ポットから出したときの根と土の塊)の、直径・深さともに2倍以上の大きさの穴を掘ります。例えば、直径30cm、深さ30cmの根鉢なら、最低でも直径60cm、深さ60cmの穴が必要です。
- 穴を掘る過程で出てきた石やガラは、完全に取り除きます。
- 掘り出した土に、腐葉土や堆肥を3〜4割ほど混ぜ込み、土をふかふかに改良します。粘土質で水はけが悪い場合は、パーライトなどを混ぜ込むと良いでしょう。
- 改良した土を穴の半分ほどまで戻し入れ、そこに樹木を植え付けます。
- 残りの土を隙間なく埋め戻し、最後にたっぷりと水を与えます。
この方法であれば、庭全体の石を取り除かなくても、シンボルツリーなどの植栽を楽しむことができます。
最初は大変ですが、一度しっかりとした植え穴を作っておけば、樹木が健やかに成長するための良い環境を整えられます。
石だらけの庭におすすめのグランドカバー
石が多くて水はけが良い土壌は、見方を変えれば「乾燥に強い植物」が育ちやすい環境とも言えます。
無理に土壌改良をしなくても、環境に適したグランドカバープランツを選べば、緑豊かな庭を作ることが可能です。
ここでは、比較的丈夫で、石が多い庭でも育ちやすいおすすめのグランドカバーをいくつか紹介します。
- タイム類
クリーピングタイムなど、地面を這うように広がる品種は乾燥に非常に強く、踏みつけにもある程度耐えます。春には可愛らしい花を咲かせ、香りも楽しめます。
- セダム類
多肉植物の一種で、乾燥や痩せた土地に強いのが特徴です。様々な品種があり、葉の色や形も楽しめます。ほとんど手入れが要らない点も魅力です。
- 芝生(高麗芝)
日本の気候に適した芝生で、比較的乾燥に強く、丈夫です。ある程度の石があっても、目土を入れて表面をならせば十分に育てられます。
- ヒメイワダレソウ(リピア)
繁殖力が非常に旺盛で、地面をあっという間に覆ってくれます。乾燥や暑さに強く、雑草抑制効果も高いです。初夏から秋にかけて小さな白い花を咲かせます。
これらの植物は、石と石の隙間に根を張りながらたくましく成長します。
石の多い庭の景観をナチュラルに演出し、雑草が生えるのを防ぐ効果も期待できますよ。
庭から出た石の賢い活用法を紹介
苦労して取り除いた石ですが、すべてを処分する必要はありません。
アイデア次第で、庭を素敵に演出する資材として再利用できます。
お金をかけずに庭づくりができるだけでなく、ゴミを減らすことにも繋がります。
ここでは、具体的な活用アイデアをいくつか紹介します。
1. ロックガーデン
大きさの異なる石を自然な形で配置し、その間に乾燥に強い高山植物や多肉植物を植え付ければ、おしゃれなロックガーデンの完成です。
庭に高低差が生まれ、立体的な景観を楽しめます。
2. 花壇や菜園の縁取り(土留め)
比較的大きさが揃った石を選んで並べれば、花壇や家庭菜園スペースのナチュラルな縁取りになります。
土が流れ出るのを防ぐ「土留め」としての役割も果たしてくれます。
3. 飛び石(ステップストーン)
平らで大きめの石は、アプローチの飛び石として活用できます。
歩く場所を確保しつつ、庭のデザインのアクセントにもなります。
4. 砂利道や排水路の下地
細かく砕いた石や小石は、防草シートを敷いた上の砂利道の下地として使えます。
また、水はけを良くしたい場所の暗渠排水(あんきょはいすい)の資材としても利用可能です。
このように、厄介者だと思っていた石も、見方を変えれば立派なガーデニング資材になります。
捨てる前に、ぜひ再利用を検討してみてください。
計画的に庭の石を取り除くまとめ
この記事では、庭の石を取り除くための様々な方法について解説してきました。最後に、重要なポイントをリスト形式で振り返ります。
- 新築の庭が石だらけなのは造成時の盛土が主な原因
- 作業は一度にやろうとせず小さな区画に分けて進めるのが成功の鍵
- 基本的な手順は「耕す」「拾う」「ふるいにかける」の3ステップ
- スコップやふるい、一輪車など適切な道具を揃えると効率が上がる
- DIYでふるい台を自作すれば体の負担を軽減できる
- 大きな庭石は不法投棄せず自治体や専門業者に処分を依頼する
- 業者に依頼する際は複数の業者から見積もりを取ることが重要
- 広い範囲の作業には耕運機や電動ふるい機などの機械が有効
- 機械は購入だけでなくレンタルサービスを利用する選択肢もある
- 庭全体の改良が難しくても「植え穴客土」で木を植えることは可能
- 石が多い環境を活かし乾燥に強いグランドカバーを選ぶのも一つの手
- 取り除いた石はロックガーデンや花壇の縁取りとして再利用できる
- 作業は土が乾いている晴天の日に行うのがベスト
- 安全のため作業用手袋や長靴は必ず着用する
- 根気のいる作業だが少しずつでも続ければ庭は必ず改善される
庭の石を取り除く作業は決して楽ではありませんが、やり遂げた後には、植物が健やかに育つ理想の庭が待っています。この記事で紹介した方法を参考に、ご自身のペースで計画的に作業を進めてみてください。