庭づくり

庭に小さい蟻が大量発生する原因は?自分でできる駆除・予防の全て

庭に小さい蟻が大量発生する原因は?自分でできる駆除・予防の全て

ふと庭に目をやると、めちゃくちゃ小さい蟻が延々と行列を作っていて、思わずぞっとした経験はありませんか?

一体どこから現れたのか、その名前も分からず、放置しているうちに気づけば庭が蟻の巣だらけに…という事態は、ガーデニングを楽しむ方にとっても、小さなお子様がいるご家庭にとっても避けたいものです。

この記事では、なぜ庭に小さい蟻が大量発生するのか、その根本的な原因をプロの視点から深く掘り下げて解説します。

さらに、そもそもその蟻は駆除すべき?という基本的な疑問から、ご家庭でできる具体的な対策、そして再発を防ぐための予防策まで、網羅的かつ分かりやすくご紹介します。

ポイント

  • 小さい蟻の正体と発生する根本的な原因
  • 庭の蟻を放置した場合のリスクと駆除の判断基準
  • ご家庭で今すぐ実践できる効果的な蟻の駆除方法
  • 蟻を二度と寄せ付けないための環境作りと予防策

庭に小さい蟻が大量発生する主な原因

  • めちゃくちゃ小さい蟻の正体とその名前
  • 小さい蟻は一体どこからやってくるのか?
  • 庭が蟻の巣だらけになる環境的な要因
  • アブラムシとの共生関係が蟻を増やす
  • 生ゴミや甘いものなど豊富なエサの存在

めちゃくちゃ小さい蟻の正体とその名前

めちゃくちゃ小さい蟻の正体とその名前

庭で大群をなしている「めちゃくちゃ小さい蟻」の正体は、多くの場合「ヒメアリ」「トビイロシワアリ」といった、日本全国に広く分布する在来種です。

これらの蟻は私たちの生活圏に巧みに適応しており、庭や家屋の周辺で頻繁にその姿を見かけます。

体長が1.5mm〜2.5mm程度と極めて小さいため、肉眼では種類の特定が難しいものの、わずかな隙間さえあれば容易に家の中まで侵入してきます。

それぞれの蟻には生態や好む環境に違いがあるため、まずは庭で問題となりやすい代表的な小さい蟻の種類とその特徴を正確に把握することが、効果的な対策の第一歩となります。

庭でよく見かける小さい蟻の種類と特徴
名前 体長 特徴・生態
ヒメアリ 約1.5~2mm 黄褐色~赤褐色 屋内に侵入することが非常に多い種類。雑食性で、特に砂糖やお菓子のくずといった甘いものを強く好む。一つの巣に複数の女王蟻がいることがあり、繁殖力が非常に高い。
トビイロシワアリ 約2.5mm 褐色~黒褐色 小型で動きが俊敏。地面や朽ちた木、石の下などに巣を作る。雑食性で、他の昆虫の死骸などもエサにする。花壇やプランター周り、コンクリートの割れ目などでよく見かける。
アカアリ 約2~3mm 赤褐色 湿った土の中や植木鉢の下などに巣を作る。人を刺すことは稀ですが、種類によっては毒針を持つものもおり、アレルギー反応を引き起こす可能性があるため注意が必要。

特定外来生物「アルゼンチンアリ」に要注意

特定外来生物「アルゼンチンアリ」に要注意

Penarc - {http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Argentine_ant.jpg Nat1192}, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4274419による

もし見かける蟻が黒っぽく光沢がなく、動きが非常に素早く、隙間なく行列を作っている場合は、特定外来生物の「アルゼンチンアリ」の可能性があります。

アルゼンチンアリは極めて攻撃的かつ繁殖力が強く、在来のアリを駆逐するなど日本の生態系に深刻な悪影響を及ぼします。

もしアルゼンチンアリと思われる蟻を発見した場合は、自分で駆除しようとせず、速やかにお住まいの自治体の環境担当部署に連絡し、指示を仰ぐことが重要です。

 

小さい蟻は一体どこからやってくるのか?

小さい蟻は一体どこからやってくるのか?

蟻はエサを求めて常に新しいテリトリーを探しており、その侵入能力は驚くほど高いです。

特にヒメアリのような小さい蟻は、私たちが「隙間」として認識していないような、ほんのわずかな亀裂や穴からでもやすやすと建物内に侵入してきます。

家屋への主な侵入経路は、以下のような場所が考えられます。

  • 窓や網戸の隙間、サッシのレール部分:経年劣化したゴムパッキンの隙間や、レールに溜まった土埃が足がかりになります。
  • 壁や基礎コンクリートのひび割れ:0.5mm程度のわずかな亀裂でも侵入可能です。
  • 換気扇やエアコンの配管を通す穴の周り:壁との間に生じた隙間や、シーリング材の劣化部分が格好の通り道となります。
  • 床下や屋根裏の隙間:地面に近い場所だけでなく、電線や木の枝を伝って高所からも侵入します。

蟻は一度安全なエサ場を発見すると、巣までの帰り道に「道しるべフェロモン」と呼ばれる化学物質を分泌し、仲間に正確な場所を伝えます。

このフェロモンが蟻の行列を作り出す原因です。

つまり、たった一匹の偵察アリの侵入を許すことが、結果的に数百、数千の蟻を呼び寄せる引き金となり、深刻な大量発生につながるのです。

侵入経路セルフチェックリストと対策

  • □ 窓やドアはきちんと閉まっているか → 隙間テープなどで密閉性を高める
  • □ 網戸に破れや隙間はないか → 専用の補修シールで塞ぐ
  • □ 外壁にひび割れがないか → ホームセンターで入手できる補修パテで埋める
  • □ 配管周りのパテに劣化や隙間はないか → 新しいパテで隙間なく充填する

 

庭が蟻の巣だらけになる環境的な要因

庭が蟻の巣だらけになる環境的な要因

そもそも、なぜ特定の庭に蟻の巣が集中して作られてしまうのでしょうか?

その答えは単純で、あなたの庭が蟻にとって「最高の住環境」を提供してしまっているからです。

蟻が巣を作り、コロニーを拡大させるために好む条件が揃っていると、あっという間に庭中が蟻の巣だらけという事態に陥ってしまいます。

具体的には、蟻は以下のような環境を特に好みます。

 

適度な湿気と安定した地温

蟻は極端な乾燥も、水はけが悪く常にジメジメした場所も好みません。

蟻たちにとって理想的なのは、雨が降っても水たまりができず、しかし土の中は適度に湿り気が保たれる、水はけの良い砂質土壌です。

加えて、日当たりが良く暖かい場所は地温が安定し、卵や幼虫の成長を促進するため、巣作りの場所として最適です。

 

身を守れる巣作りしやすい場所の存在

庭には、雨風や天敵から身を守り、安全に巣を作るための絶好のロケーションが溢れています。

例えば、以下のような場所は、蟻にとって五つ星ホテル並みの快適な物件と言えるでしょう。

  • 植木鉢やプランターの下:雨風を直接しのげる屋根があり、地面との間にできる空間は温度・湿度が安定しています。
  • 石やレンガ、庭石の隙間:硬い素材に囲まれているため、外敵から巣を物理的に守りやすいです。
  • ウッドデッキの下や芝生の根元:直射日光が当たらず、湿度が保たれやすいため、巣が乾燥する心配がありません。
  • 積まれた落ち葉や枯れ草の下:冬は暖かく、夏は涼しい天然の断熱材。分解される過程でエサとなる他の微生物も集まりやすいです。

これらの場所は、蟻にとって安全なシェルターであり、繁殖の拠点となります。定期的にこれらの場所をチェックし、清掃や整理を行うことが、巣を作らせないための重要なポイントになります。

アブラムシとの共生関係が蟻を増やす

 

アブラムシとの共生関係が蟻を増やす

庭の蟻がなぜか特定の木や植物の周りに集中している場合、その原因は「アブラムシ」の存在が大きく関わっています。

実は、蟻とアブラムシは、お互いなしでは生きていけないほど密接な「相利共生関係」にあり、この協力体制が蟻の爆発的な増加を後押ししているのです。

この自然界の巧妙な仕組みを理解することが、効果的な蟻対策の鍵となります。

 

アリとアブラムシの驚くべき共生関係

アブラムシは、植物の茎や新芽に口針を突き刺して師管液を吸って生きています。
この師管液は糖分が過剰なため、余分な糖分を「甘露(かんろ)」と呼ばれる甘い蜜としてお尻から排泄します。
アリはこの甘露が大好物で、まるでジュースのように舐めて重要な栄養源にしています。
その見返りとして、アリはアブラムシを食べるテントウムシヒラタアブの幼虫といった天敵を、大顎で威嚇したり攻撃したりして追い払います。
つまり、アリはアブラムシを外敵から守るボディーガード役を担い、その対価として甘い蜜をもらっているのです。

このことから分かるように、庭木や大切に育てている草花にアブラムシが大量発生すると、その甘露を求めて蟻が自然と集まり、居着いてしまうのです。

そして、アリに守られたアブラムシはさらに数を増やし、植物を弱らせていきます。

アブラムシの排泄物は、葉が黒いススで覆われたようになる「すす病」の原因にもなり、光合成を妨げて植物の生育を著しく阻害します。

したがって、蟻の駆除を考える際は、同時にアブラムシの防除もセットで行うことが不可欠です。

 

生ゴミや甘いものなど豊富なエサの存在

生ゴミや甘いものなど豊富なエサの存在

蟻が庭に集まってくる最もシンプルかつ強力な誘引要因は、そこに人間が提供する豊富なエサがあることです。

蟻の多くは雑食性ですが、特に糖分やタンパク質をエネルギー源として強く求めます。

私たちの何気ない行動が、意図せず蟻を呼び寄せる原因となっているケースは少なくありません。

例えば、庭で楽しんだバーベキューで落とした肉のかけらやタレ、子どもがこぼしたジュースやお菓子のくず、屋外に置いたままのペットフードの食べ残しなど、これら全てが蟻にとっては最高のごちそうです。また、蓋がきちんと閉まっていなかったり、袋が破れていたりするゴミ置き場は、蟻にとって食べ放題のレストランと化してしまいます。

蟻は非常に優れた嗅覚を持っており、わずかな匂いでも正確に発生源を突き止めて集まってきます。

そして一度でも「ここは安定してエサが手に入る場所だ」と認識されると、フェロモンで仲間を大量に呼び寄せ、近くに巣を作り、活動の拠点として定着してしまいます。

庭や家の周りを常に清潔に保ち、蟻のエサとなり得るものを徹底的に管理・除去することが、蟻の大量発生を防ぐための最も基本的かつ重要な対策と言えるでしょう。


庭に小さい蟻が大量発生した原因別の対策

  • 庭の蟻は駆除すべき?判断基準を解説
  • 家庭にあるものでできる簡単な駆除方法
  • 巣ごと根絶する市販の駆除剤の選び方
  • ペットがいても安全な自然由来の対策
  • 業者に依頼するメリットと費用相場
  • 庭に小さい蟻が大量発生する原因と対策の総括

庭の蟻は駆除すべき?判断基準を解説

庭の蟻は駆除すべき?判断基準を解説

庭で蟻の姿を見かけたからといって、短絡的に「全て駆除しなければ!」と考える必要はありません。

実は、蟻は生態系において重要な役割を担う「益虫」としての一面も持っているからです。

例えば、巣を作るために土を掘り進む行動は、土壌を柔らかく耕し、水や空気の通りを良くする効果があります。

また、他の害虫の幼虫や死骸をエサにすることで、庭の環境をクリーンに保つ掃除屋の役割も果たしています。

しかし、その一方で、私たちの生活に様々な実害をもたらす「害虫」としての側面も無視できません。

駆除に踏み切るべきかどうかは、蟻がもたらす自然界でのメリットと、私たちの生活へのデメリットを冷静に天秤にかけ、その被害レベルに応じて総合的に判断することが賢明です。

駆除を積極的に検討すべきケース

  • 家の中に侵入してくる:キッチンで食品に群がる、電化製品の内部に入り込み故障させるなど、衛生的・経済的な損害が発生します。
  • 植物に明らかな被害が出ている:アブラムシやカイガラムシを保護して増やし、大切に育てている草花や家庭菜園の作物を枯らせてしまう場合。
  • 庭での活動中に噛まれる・刺される:小さなお子様やペットが刺されると、痛みや腫れ、アレルギー反応を引き起こす危険性があります。
  • 巣が多すぎて景観や構造物を損なう:芝生を凸凹にしたり、レンガやコンクリートの下の土を掘り出して空洞化させ、地盤沈下の原因となることがあります。
  • 毒を持つ危険な外来種の蟻の可能性がある:ヒアリやアカカミアリなど、強い毒を持ち健康に重大な被害を及ぼす蟻と疑われる場合は、即座の専門的な対応が必要です。

上記のような具体的な実害が発生している、あるいはその危険性が高いと判断される場合は、放置せずに駆除を検討することをおすすめします。

特に家屋への侵入は、壁の中や床下など目に見えない場所に巣を作られてしまうと駆除が非常に困難になるため、早期の対策が何よりも重要です。

 

家庭にあるものでできる簡単な駆除方法

本格的な殺虫剤を購入する前に、まずはご家庭にある身近なアイテムを使って蟻を駆除、または寄せ付けなくする方法を試してみましょう。

これらの方法は、化学薬品を使わないため環境への負荷が少なく、小さなお子様やペットがいるご家庭でも比較的安心して試すことができます。

ただし、効果は限定的で、あくまで応急処置として捉えることが大切です。

家庭にあるものを使った蟻対策とその注意点
方法 具体的なやり方 メリット デメリット・注意点
熱湯 やかんで沸騰させたお湯(5リットル以上が目安)を、巣穴や行列にゆっくりと、数回に分けて注ぎ込む。 薬剤を一切使わず、物理的にダメージを与えるため即効性がある。コストが全くかからない。 植物の根元にかかると、根が火傷して枯れてしまう危険性が非常に高い。巣の奥深くにいる女王蟻まで届かないことが多い。
食器用洗剤 スプレーボトルに水と食器用洗剤を1:2の割合で入れ、よく混ぜてから蟻の行列や個体に直接吹きかける。 洗剤の界面活性剤が蟻の気門(呼吸孔)を塞ぎ、窒息させる効果がある。非常に手軽に作れて安価。 植物にかかると葉を傷める可能性がある。効果は一時的で、巣全体の駆除には向いていない。
重曹 重曹と、蟻が好む粉砂糖を1:1の割合でよく混ぜ合わせ、蟻の通り道や巣の近くに少量ずつ置いておく。 蟻の消化器系は酸性のため、アルカリ性の重曹を食べると体内でガスが発生し死滅する。巣に持ち帰らせることで遅効性の効果が期待できる。 効果が出るまでに数日から数週間かかる。ペットや子供が誤って舐めたり食べたりしないよう、設置場所に細心の注意が必要。
木酢液・竹酢液 製品の指示に従い、規定の倍率(通常200~500倍)に水で正確に薄め、ジョウロなどで巣の周辺や通り道に散布する。 蟻が嫌う燻製のような独特の匂いで、蟻をその場所から遠ざける忌避効果がある。土壌改良効果も期待できる。 殺虫効果は全くない。匂いが強いため、近隣への配慮が必要な場合がある。濃度を間違えると植物に害を与える。

これらの方法は、あくまで発生初期の小規模な巣や、一時的に蟻を追い払いたい場合の対策です。

既に庭全体に巣が広がっているような状況では、根本的な解決は難しいため、より強力な対策へステップアップする必要があります。

 

巣ごと根絶する市販の駆除剤の選び方

蟻の被害を根本的に解決するためには、目に見える働きアリを駆除するだけでは不十分です。

巣の中心で毎日何百もの卵を産み続ける女王蟻を退治しない限り、蟻は何度でも蘇ってきます。

そのためには、市販されている専用の駆除剤を戦略的に選び、正しく使用することが極めて重要です。

駆除剤は大きく分けて3つのタイプがあり、それぞれの特性を理解して、状況に応じて使い分けることが成功の鍵です。

 

① 毒餌(ベイト)タイプ:巣ごと退治する最終兵器

毒餌(ベイト)タイプ:巣ごと退治する最終兵器

アース スーパーアリの巣コロリ ※出典:Amazon

働きアリに毒成分を含んだエサを巣に持ち帰らせ、女王蟻や幼虫を含む巣全体の仲間に行き渡らせることで、コロニーを内部から崩壊させる方法です。

効果の発現には1週間〜1ヶ月程度かかりますが、蟻を根絶させる上では最も確実で効果的なタイプです。

アリの種類によって好むエサが異なるため、顆粒タイプとジェルタイプがセットになった製品(例:アース製薬「スーパーアリの巣コロリ」など)を選ぶと成功率が高まります。(参照:アース製薬公式サイト)

 

② 液体・シャワータイプ:広範囲の巣を直接攻撃

液体・シャワータイプ:広範囲の巣を直接攻撃

アース アリの巣コロリ シャワータイプ ※出典:Amazon

巣穴やその周辺に直接散布する液体タイプの薬剤です。

広範囲に薬剤を浸透させることができるため、巣の場所が特定できており、規模が大きい場合に有効です。

即効性が高い製品が多く、散布後すぐに効果を実感できます。

 

③ スプレー(エアゾール)タイプ:見つけた敵を即時撃退

スプレー(エアゾール)タイプ:見つけた敵を即時撃退

アース アリアースW ※出典:Amazon

屋内に侵入してきた蟻や、目の前の行列をその場で素早く駆除するのに適しています。

巣穴に直接薬剤を噴射できる長いノズルが付属した製品は、巣の入り口付近の蟻を退治するのに役立ちます。

ただし、薬剤が届く範囲は限られるため、巣全体の駆除には向きません。

 

駆除剤選びの戦略

基本戦略として、まず「毒餌(ベイト)タイプ」を蟻の通り道に複数設置して巣の根絶を図ります。

その上で、補助的に「スプレータイプ」で家の中に侵入してきた蟻を退治し、巣の場所が分かっている場合は「液体タイプ」で直接攻撃するという、複合的なアプローチが最も効果的です。

 

ペットがいても安全な自然由来の対策

ペットがいても安全な自然由来の対策

小さなお子様や、地面を舐めたり草を食べたりする可能性のあるペット(特に犬や猫)がいるご家庭では、化学合成された殺虫剤の使用はできるだけ避けたいものです。

幸い、自然界には蟻が本能的に嫌う香りや物質が存在し、それらを活用することで、人や動物に優しく、かつ安全に蟻を遠ざけることが可能です。

 

蟻が嫌う「忌避ハーブ」を植える

特定のハーブが持つ強い香りは、蟻にとって非常に不快なものです。

これらのハーブを庭の蟻が出没しやすい場所、例えば家の基礎周りや花壇の縁などに植えることで、天然の「香りのバリア」としての効果が期待できます。

ペパーミント

ペパーミント

●ミント類:(ペパーミント、スペアミントなど):非常に強い清涼感のある香りを放ちます。
繁殖力が旺盛なので、地植えよりは鉢植えでの管理がおすすめです。

 

ラベンダー

ラベンダー

●ラベンダー:人間にとってはリラックス効果のある香りですが、多くの昆虫がこの香りを嫌います。

 

ローズマリー

ローズマリー

●ローズマリー:料理にも使われる爽やかな香りが特徴。

乾燥にも強く育てやすいハーブです。

 

タンジー

タンジー

●タンジー:古くから防虫ハーブとして知られています。

黄色いボタンのような花が咲きます。

 

これらの植物は、ガーデニングの彩りとしても楽しみながら、蟻だけでなく他の害虫を寄せ付けにくくする効果も期待できます。

 

お酢やレモンのスプレーで通り道を消す

お酢やレモンのスプレーで通り道を消す

前述の通り、蟻はフェロモンを頼りに行動しますが、お酢に含まれる「酢酸」やレモンに含まれる「クエン酸」の強い酸性の匂いは、このフェロモンの効果を無効化します。

水でお酢やレモン汁を2〜3倍に薄めたものをスプレーボトルに入れ、蟻の通り道や家の基礎部分などに吹き付けておくと、行列を混乱させ、侵入意欲を削ぐ効果があります。

 

注意ポイント

これらの自然由来の対策は、殺虫剤のような即効性や持続性はありません。

効果は比較的穏やかで、雨が降ると流れてしまうため、こまめに(特に雨上がりに)実施することが成功の秘訣です。

化学薬品を絶対に使いたくない場所の予防策として、根気強く続けることが大切です。

 

業者に依頼するメリットと費用相場

業者に依頼するメリットと費用相場

様々な対策を試しても一向に蟻が減らない、巣がどこにあるか分からない、あるいは被害が深刻で自分では手に負えない、といった場合は、無理をせず害虫駆除の専門業者に依頼するのが最も賢明で確実な解決策です。

プロに依頼することには、素人では得られない数多くのメリットがあります。

  • 専門的な知識と診断力:蟻の種類を正確に特定し、その生態や習性を熟知した上で、最も効果的な駆除計画を立ててくれます。

  • 確実な根絶技術:特殊な機材やプロ専用の強力な薬剤を使用し、家屋の壁内部やコンクリートの下など、通常では手の届かない場所にある巣まで徹底的に調査し、女王蟻ごと根絶します。これにより再発のリスクを劇的に低減できます。

  • 安全性への高い配慮:小さなお子様やペット、アレルギー体質の方の健康に配慮し、環境への影響も考慮した安全な薬剤の選定と施工を行ってくれます。

  • 手間と時間の圧倒的節約:自分で試行錯誤する時間、労力、精神的なストレスから解放され、迅速かつ効率的に問題を解決できます。

特に、巣が家屋の基礎や壁の中に形成されている疑いがある場合や、刺されると危険な毒を持つ特定外来生物の可能性がある場合は、自己判断で対処すると被害を拡大させる危険があります。

迷わず専門業者に相談しましょう。

 

費用相場について

費用

駆除にかかる費用は、被害の範囲(面積)、巣の数や場所、建物の構造、使用する薬剤など、様々な要因によって大きく変動します。

あくまで一般的な目安ですが、庭のアリ駆除の費用相場は1坪あたり5,000円〜10,000円程度と言われています。

多くの場合、最低料金が設定されており、総額では数万円からとなるケースが一般的です。

失敗しない信頼できる業者の選び方

業者を選ぶ際は、安さだけで決めず、以下のポイントをチェックすることが重要です。信頼できる業者を見つけるために、公益社団法人日本ペストコントロール協会の会員企業から探すのも一つの手です。

  1. 無料の現地調査と詳細な見積もり:追加料金の有無など、料金体系が明確であること。
  2. 十分な実績と専門資格:会社のウェブサイトなどで施工実績を確認する。
  3. 丁寧な説明とコミュニケーション:駆除方法や使用する薬剤について、分かりやすく説明してくれること。
  4. 充実したアフターサービスと保証:万が一再発した場合の保証制度が整っていること。

 

庭に小さい蟻が大量発生する原因と対策の総括

最後に、この記事で解説してきた庭の小さい蟻が大量発生する原因とその対策について、重要なポイントをリスト形式で振り返ります。

  • 庭で大量発生する小さい蟻の多くはヒメアリやトビイロシワアリである
  • 蟻は壁のひび割れや窓のサッシなど僅かな隙間からでも侵入する
  • 適度な湿気があり日当たりの良い水はけの良い土壌は蟻に好まれる
  • 植木鉢の下、石やレンガの隙間、ウッドデッキの下は格好の巣作りポイントになる
  • アブラムシが分泌する甘い蜜(甘露)は蟻の重要なエサとなり大量発生を招く
  • アリはアブラムシを天敵から守り、お互いに利益を得る共生関係にある
  • 食べこぼし、ペットフードの残り、管理の悪いゴミ置き場は蟻を強力に誘引する
  • 蟻は土壌を改善する益虫の側面もあるため、駆除は実害のレベルで判断する
  • 家屋への侵入、植物への被害、人やペットへの健康被害がある場合は駆除を検討する
  • 応急処置として熱湯、食器用洗剤、重曹、木酢液などが利用できる
  • 巣ごと根絶するには、女王蟻にも効果がある毒餌(ベイト)タイプの駆除剤が最も効果的
  • ペットがいる家庭ではミントやラベンダーなどの忌避ハーブを植える自然な対策も有効
  • 自力での駆除が困難な場合や被害が深刻な場合は、専門業者への依頼が最も確実
  • 業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取り、料金だけでなく保証内容などを比較検討することが重要
  • 再発防止の基本は、庭を常に清潔に保ち、蟻のエサとなるものを徹底的に除去することである
  • この記事を書いた人

なおと

はじめまして! 知識ゼロからDIYでの庭づくりに挑戦し、たくさんの失敗を乗り越えてきた経験を元に、初心者さんがつまずきやすいポイントを丁寧に解説しています。雑草だらけだった庭が、少しずつお気に入りの空間に変わっていく喜びを、あなたと分かち合えたら嬉しいです。 詳しいプロフィールはこちら »

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