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庭でのビオトープの作り方│簡単な設置からメダカの管理まで徹底解説

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庭でのビオトープの作り方│簡単な設置からメダカの管理まで徹底解説

こんにちは。お庭マエストロ、運営者の「なおと」です。

庭でビオトープを作ってみたい、そう考えてこのページに来てくださったんだと思います。庭に小さな生態系を作って、メダカや水草を眺めて暮らす…すごく憧れますよね。でも、実際に「庭でのビオトープの作り方 」と調べてみると、「睡蓮鉢はどれがいい?」「水草の選び方は?」「害虫やコケ(アオコ)が出たらどうしよう」「100均のアイテムでDIYできないかな?」「放置できるって聞くけど本当?」など、たくさんの疑問が出てくるかなと思います。

私自身、最初は失敗の連続でした。すぐに水が濁ったり、メダカが元気をなくしたり…。でも、いくつかの「コツ」さえ掴めば、ビオトープは誰でも手軽に始められる素敵な趣味なんです。この記事では、専門家ではない「庭好き」の私だからこそお伝えできる、初心者目線での簡単な作り方から、夏や冬越しの管理方法まで、ステップバイステップで解説していきますね。

ポイント

  • ビオトープが成り立つ「生態系」の仕組み
  • 必要なアイテムと最適な設置場所
  • メダカやエビを安全に導入する順番
  • 夏・冬の管理やコケ・害虫のトラブル対処法

庭でのビオトープの作り方:基本編

庭でのビオトープの作り方:基本編

まずはビオトープを作るための基本的な知識と手順を見ていきましょう。一番大切なのは「生態系の仕組み」を理解すること。これさえ分かれば、大きな失敗はグッと減らせると思いますよ。ビオトープ作りは、単なる「容器に水と魚を入れる」ことではなく、「小さな地球をデザインする」ような感覚に近いかもしれませんね。

ビオトープとは?生態系の仕組み

ビオトープって、最近よく聞く言葉ですけど、なんだか難しく聞こえるかもしれません。簡単に言えば「生物が自然に近い形で暮らせる空間」のことですね。ギリシャ語の「Bio(生命)」「Topos(場所)」を組み合わせた言葉だそうです。

ビオトープの定義

環境省の広報誌でも「人工や自然を問わず、生き物が生息する場所を指します」と紹介されており、睡蓮鉢やコンテナで作る小さなビオトープも、生物多様性の保全につながる楽しい取り組みとして推奨されていますね。(出典:環境省 ecojin『睡蓮鉢で、コンテナでビオトープをつくろう』

庭に作るビオトープの多くは、睡蓮鉢やプランターの中に「小さな生態系」を再現し、メダカや水草、そして目には見えない微生物たちが互いに支え合って生きる環境を作ることを目指します。

自動浄化のサイクル(硝化)

自動浄化のサイクル(硝化)

この生態系のすごいところは、「放置していても水が綺麗になるサイクル」が働くことです。アクアリウム(水槽)のように、頻繁な水換えやフィルター掃除が基本的に要りません。その仕組みは、こんな感じです。

  1. 発生(汚染): メダカやエビがフンをしたり、枯れた水草が出たりすると、水中に生物にとって有毒な「アンモニア」が発生します。
  2. 分解①(バクテリアA): 底砂(赤玉土など)に住み着いた「ニトロソモナス」などのバクテリアが、このアンモニアを分解して「亜硝酸」に変えます。※この亜硝酸もまだ有毒です。
  3. 分解②(バクテリアB): 続いて、底砂に住む「ニトロバクター」などのバクテリアが、有毒な亜硝酸を、比較的無害な「硝酸塩」に変えます。この一連の流れを「硝化」と呼びます。
  4. 吸収(浄化): 水草が、この「硝酸塩」を“栄養”として根や葉から吸収し、成長します。
  5. 完成: 養分が水草によって吸収・消費されることで、水は浄化され、クリアな状態を保てるわけです。

このサイクルがうまく回ると、メダカは元気に泳ぎ、水草は育ち、水は清浄に保たれます。私たちがやることは、このサイクルのバランスを見守り、時々手助けしてあげる「管理者」になることですね。この仕組みを理解するのが、成功への一番の近道かなと思います。

設置場所の選び方と日当たり

設置場所の選び方と日当たり

ビオトープの成否は、設置場所で8割決まると言っても過言ではないと私は思っています。なぜなら、生態系サイクル(特に水草)の原動力である「日光(日当たり)」が非常に重要だからです。

理想は「半日陰」

理想の場所:半日陰(午前中だけ日が当たり、午後は日陰になる場所)

日光は水草の光合成や、メダカの健康(ビタミンD生成など)に不可欠です。目安として、1日に3〜5時間程度の日照が欲しいところですね。

特に「午前中の光」がベストです。午後の、特に夏の西日は強烈すぎて、水温を急上昇させる原因になります。

避けるべき場所(と次善策)

  • NG①:一日中直射日光が当たる場所

    最も避けたい場所です。特に夏場は、小さな睡蓮鉢だと水温が40℃近くまで上昇し、メダカが「茹で死に」してしまう危険があります。また、強すぎる日光は「アオコ(グリーンウォーター)」や「アオミドロ(糸状のコケ)」が大量発生する原因にもなります。

  • NG②:一日中まったく日が当たらない場所

    逆に、一日中暗い日陰もNGです。水草が光合成できずに枯れてしまい、浄化サイクルが回りません。結果、水質が悪化しやすくなります。

もし「午前中だけ日が当たる」ような理想的な場所がなくても、諦める必要はありません。一日中日が当たる場所でも、夏場(最低でも7月〜9月)だけは「すだれ」「よしず」、市販の「遮光ネット」を使って日陰を作ってあげる前提で計画すれば大丈夫ですよ。

睡蓮鉢と赤玉土の準備

睡蓮鉢と赤玉土の準備

場所が決まったら、いよいよアイテムの準備です。生態系の「場所(Topos)」となる容器と、「住処」となる底砂を選びましょう。

容器(Topos)の選び方

ビオトープの「場所」となる容器です。定番は陶器製の「睡蓮鉢」ですね。見た目がおしゃれで耐久性も高いです。水温や水質を安定させるためには、できるだけ水量がたくさん入る(底が深く、開口部が広い)ものを選ぶのがコツです。水量が多ければ多いほど、外気温の影響を受けにくく、水質も悪化しにくくなります。

代表的な容器の比較(メリット・デメリット)

どの容器を選ぶかで、管理のしやすさや見た目が変わってきますね。

容器の種類 メリット デメリット ひとこと
陶器製睡蓮鉢 ・見た目がおしゃれ ・耐久性が非常に高い ・重いので安定感がある ・高価 ・重くて移動が困難 ・割れるリスクがある やっぱり憧れ。お庭の主役になりますね。
プラスチック製睡蓮鉢 ・安価 ・軽いので移動が楽 ・デザインが豊富 ・紫外線で劣化しやすい(数年で割れることも) ・軽いので強風で倒れる可能性 手軽に始めるならコレ。まずは試したい人向け。
トロ舟(左官用) ・非常に安価 ・大容量(水量確保が容易) ・耐久性が高い ・見た目が武骨(黒一色が多い) ・浅いものが多い コスパ最強。メダカをたくさん飼いたい人向け。
NVボックス ・安価 ・丈夫で軽い ・規格が決まっていて管理しやすい ・見た目がコンテナボックスそのもの ・色が派手なものもある メダカ愛好家の定番。機能性重視ならコレ。

底砂(バクテリアの住処)の選び方

生態系サイクルの主役である「バクテリアの住処」になるのが底砂です。これがないとバクテリアが定着できず、浄化サイクルが始まりません。

  • 赤玉土(硬質): メダカ飼育では最も一般的で、私もこれを使っています。安価で、多孔質(穴が多い)なためバクテリアが定着しやすく、水質を弱酸性に安定させてくれる効果が期待できますね。「硬質」タイプは粒が崩れにくいのでおすすめです。
  • ソイル: 栄養が含まれた「栄養系」と、汚れを吸着する「吸着系」があります。水草を本格的に育てたい場合に使いますが、寿命(約1年)があり、高価なものが多いです。
  • 荒木田土(あらきだつち): 粘土質の土で、スイレンやハス(蓮)など、根をしっかり張る植物を植え込む際に使われます。ただ、水が濁りやすく、上級者向けかなと思います。

赤玉土(硬質)を使う前の「超」重要作業

赤玉土は、そのまま使うと土の微粒子(みじん)が舞って水がひどく濁り、1週間経っても透明になりません。使う前に、必ず以下の作業をしてください。

  1. バケツや米とぎ用のザルなどに赤玉土を入れます。
  2. ホースなどで水をかけながら、手や棒で優しくかき混ぜます。
  3. 濁った水が出なくなるまで、何度も水を替えながら洗います。

この一手間をかけるだけで、立ち上げ時の濁りを最小限に抑えられますよ。(※ソイルは栄養が溶け出すので洗ってはいけません)

水草の植え方とレイアウト

水草の植え方とレイアウト

水草は、ビオトープの景観を作るだけでなく、生態系サイクルを回すための「エンジン」そのものです。「水質浄化」「メダカの隠れ家」「産卵床」「夏場の遮光」という超重要な役割を担っています。

水草の重要な4つの役割

  • 水質浄化: 最大の役割。バクテリアが分解した後の最終産物(硝酸塩)を栄養として吸収し、コケの発生源となる養分を水中から除去します。
  • 隠れ家: 複雑な茂みは、メダカの稚魚やエビが、外敵(ヤゴや親メダカ)から逃れるためのシェルターになります。
  • 産卵床: マツモやホテイアオイの根は、メダカが卵を産み付けるのに最適な場所(産卵床)となります。
  • 遮光: スイレンやホテイアオイの葉が水面を覆うことで、夏場の強すぎる日差しを遮り、高水温を防ぎます。

タイプ別推奨水草ポートフォリオ

水草には大きく分けて4つのタイプがあります。これらをバランス良く入れるのが成功のコツです。

タイプ 特徴 役割 代表的な水草
抽水植物 根は水中、茎や葉は水上に出る 景観(高さ)、アクセント シラサギカヤツリ、セキショウ、ウォーターコイン
浮葉植物 根は底砂、葉は水面に浮かぶ 主役(花)、遮光(高水温対策) スイレン、ヒメスイレン、アサザ
沈水植物 全体が水中に沈んでいる 隠れ家、産卵床、酸素供給 マツモ、アナカリス(オオカナダモ)
浮遊植物 根を張らず、水面を漂う 最強の浄化役、産卵床(根) ホテイアオイ(ホテイソウ)、アマゾンフロッグピット

特にマツモ(沈水)ホテイアオイ(浮遊)は、CO2添加も不要で育成が簡単な上、浄化能力と産卵床の役割を兼ねる最強コンビです。ただし、どちらも爆発的に増えるので、増えすぎたら「間引く(トリミングする)」作業が必須になります。

レイアウト3つのコツ(機能性)

レイアウトは「おしゃれ」なだけでなく、生物の生存に直結する「機能」が求められます。

  1. 高低差をはっきりとさせる: 奥(北側)に赤玉土を高く盛って抽水植物を植え、手前(南側)は低くします。これにより、すべての植物に効率よく日光が当たり、見た目にも立体感が出ます。
  2. 植物でボリュームを出す: マツモやアナカリスで水中に複雑な「茂み」を作ります。これは稚魚やエビが生き残るための「隠れ家」として不可欠です。
  3. 詰め込みすぎない(余白を作る): 水草や石を詰め込みすぎず、あえて何も置かない「余白」を作ります。ここはメダカがゆったり泳ぐための「遊泳スペース」です。これがないとメダカがストレスを感じてしまいます。

「水づくり」とバクテリア

ここが、初心者が失敗しがちな最大のポイントであり、ビオトープ作りで一番我慢が必要なところです。

容器を設置し、赤玉土を敷き、水を入れ、水草を植えた…。さあ、メダカを入れよう!…これは絶対にNGです。ほぼ確実にメダカがショック死してしまいます。

なぜ「水づくり」が必要か?

「水づくり」の期間が必須です

設置したばかりのビオトープ(特に水道水から作った水)には、汚れを分解してくれるバクテリアが全くいません。

この状態でメダカを入れると、メダカのフンから出る有毒な「アンモニア」が分解されずに水中に蓄積し、メダカはアンモニア中毒で死んでしまいます。

水づくりの2つの方法

生物を入れる前に、必ず「バクテリアが自然に発生・定着する」のを待つ必要があります。この期間を「水づくり」や「立ち上げ」と呼びます。

  • ひたすら待つ(推奨): 生物を入れないまま、最低でも1〜2週間はそのままの状態で待ちます。日光を浴びることでバクテリアが自然発生し、定着していきます。
  • バクテリア剤を使う: 「そんなに待てない!」という場合は、市販の「バクテリア添加剤(バチルス菌など)」を使うことで、この期間を短縮・安定化させることができます。私も立ち上げの時は、念のためこれを使っていますね。

立ち上げ時の「白濁り」は我慢のサイン

水づくりを始めて数日〜1週間ほどで、水が白っぽくモヤっと濁ることがあります。これは汚れではなく、バクテリアが急激に増殖している(が、まだ生態系が不安定な)サインです。

ここで慌てて水換えをすると、せっかく増え始めたバクテリアを捨てることになり、立ち上げがリセットされてしまいます。「白濁りは水換えせず、待つ」のが正解です。バクテリアのバランスが整えば、自然と透明な水に戻っていきますよ。

メダカとエビの導入時期

1〜2週間の「水づくり」が終わり、水がピカピカに澄んできたら、いよいよ生物の導入です。でも、ここでも主役のメダカをいきなり入れるのではなく、「導入する順番」が大切です。

安全な導入シーケンス

ビオトープ 安全な導入シーケンス

  1. 【第1陣】 パイロットフィッシュ(掃除屋)

    まずは「ヒメタニシ」や「ミナミヌマエビ」を数匹入れます。彼らはコケや餌の食べ残しを処理してくれる「掃除屋」であり、メダカよりも比較的丈夫です。彼らが数日間元気に活動していれば、水質が生物の住める安定した状態になった証拠です。「パイロットフィッシュ(水先案内魚)」とも呼ばれますね。

  2. 【第2陣】 主役の登場

    第1陣が元気なのを確認したら、いよいよ主役の「メダカ」を導入します。最初は3〜5匹程度の少数から始めるのが失敗しないコツです。いきなり大量に入れると、生態系(バクテリアの処理能力)が追いつかず、水質が急激に悪化する可能性があります。

「水合わせ」の具体的な手順

生物を導入する際は、必ず「水合わせ」という作業を行ってください。いきなりドボンと入れると、水温や水質の急激な変化(pHショックなど)で弱ってしまいます。買ってきた袋のまま、以下の手順で慎重に行います。

  1. 買ってきた袋ごとビオトープに30分ほど浮かべ、水温を同じにします。
  2. 袋を開け、袋の中の水を1/3ほど捨てます。
  3. 捨てた分と同じくらいの量の、ビオトープの水を袋の中にゆっくり入れます。(15分ほど待つ)
  4. 上記3の作業を、さらに2〜3回繰り返します。(合計で30分〜1時間ほどかける)
  5. 最後に、生物だけをそっと網ですくってビオトープに放します。(袋の水は、病気や菌を持ち込まないため、なるべくビオトープに入れないようにします)

混泳NG!ビオトープに入れてはいけない生物

メダカと一緒に入れたい生物もいますが、相性が悪いとメダカが食べられてしまいます。

  • 金魚: NGです。メダカやエビを捕食してしまいます。
  • ザリガニ: NGです。水草を切り刻み、メダカを捕食します。
  • ヤゴ: (勝手に入りますが)メダカの天敵です。見つけ次第、駆除します。

メダカと相性が良いのは、アカヒレや、上記のヒメタニシ、ミナミヌマエビなどですね。

庭のビオトープ作り方:管理と応用

ビオトープが完成したら、次はその美しい生態系を「維持」していくフェーズです。作って終わりではなく、季節の変化に合わせた管理が重要になります。特に「夏」と「冬」の乗り切り方が、長期維持の最大のポイントですね。

夏の高水温対策と足し水

夏場のビオトープ管理は、「高水温対策」に尽きます。メダカは高水温に強い魚ですが、それはあくまで緩やかな上昇の場合。直射日光が当たり続けると、小さな睡蓮鉢の水温は簡単に40度近くまで上昇し、メダカやエビは「茹で死に」してしまいます。

危険な水温と具体的な遮光テクニック

水温が35℃を超えると危険信号、38℃〜40℃に達すると全滅のリスクが非常に高まります。対策はシンプルに「日陰を作ること」です。

  • すだれ・よしずで遮光

    これが一番簡単で効果的です。100均などでも手に入ります。容器全体を覆うのではなく、半分だけ覆うなどして、日光が当たる場所と日陰になる場所の両方を作ってあげるのが理想です。特に午後の西日が当たる時間は必ず日陰を作ってあげてください。

  • 水草による遮光

    スイレンやホテイアオイ、アマゾンフロッグピットなどの葉が水面を覆うことで、天然の日除けになります。ただし、水面を覆い尽くすと日光が水中まで届かなくなるので、多くても水面の7割程度までに間引きます。

  • 発泡スチロール容器

    見た目を気にしないのであれば、発泡スチロール製の箱は最強の断熱容器です。外気温の影響を最も受けにくいため、高水温対策には非常に有効ですね。

「水換え」ではなく「足し水」が基本

夏場は水がどんどん蒸発して水位が下がります。この時、慌ててアクアリウムのように「水換え(全量または半分の交換)」をしてはいけません。せっかく安定したバクテリア(生態系)を捨ててしまい、水質が不安定になる原因になります。

ビオトープの基本は「足し水」です。蒸発して減った分だけ、カルキ抜きした水(一晩汲み置いた水がベスト)をゆっくりと足してあげます。これが日常のメンテナンスです。

※足し水の際も、真夏の日中に冷たい水道水を一気に入れると水温が急変します。朝方か夕方の涼しい時間帯に、水温差がなるべく出ないよう、ゆっくり注ぐのがコツです。

害虫のヤゴ対策と駆除

「春に10匹いたはずのメダカが、夏には3匹に…」「エビがいつの間にか全滅した…」という場合、その原因の多くはヤゴ(トンボの幼虫)」の仕業かもしれません。

メダカが減る原因「ヤゴ」

トンボがビオトープの水面を見つけると、産卵しにやってきます。水中で孵化したヤゴは、メダカの稚魚、エビ、そして時には親メダカさえも捕食してしまう、ビオトープ最強のハンターです。

一度侵入すると、水草の茂みや底砂に隠れてしまい、見つけて駆除するのは非常に困難です。

最強の対策は「物理防御」

ヤゴ対策は「侵入させない」ことが全て

ヤゴ対策は「駆除」より「予防」です。最も重要なのは「トンボに産卵させない」こと。ビオトープの容器全体を、防虫ネットや網戸の網で物理的に覆ってしまうのが、一番確実な対策になります。

景観は少し損ねますが、特にメダカを繁殖させたい、エビを守りたい場合は、産卵シーズン(春〜秋)はネットを被せておくことを強く推奨します。

その他の外敵

ヤゴ以外にも、サギなどの鳥類や、猫がメダカを狙ってやってくることもあります。これらに対しても、物理的なネットが最も有効な対策となりますね。

「ボウフラ」は害虫ではなく「おやつ」です

水面にウネウネと湧く「ボウフラ(蚊の幼虫)」を心配される方もいますが、ビオトープにメダカがいれば、これは害虫ではなく「最高のおやつ」になります。メダカが喜んですべて食べてくれるため、ビオトープが蚊の発生源になることは、まずありません。むしろ、メダカの健康的な餌になる益虫(?)とさえ言えますね。

コケやアオコの解決法

ビオトープが安定してきても、「コケ」や「アオコ」の問題は出てくるかもしれません。これらは「敵」ではなく、「生態系サイクルのバランスが崩れている」という重要なサインです。

水が緑色(アオコ、グリーンウォーター)

  • 原因: 「富栄養化(餌のやりすぎ、生物が多すぎ)」と「日光の過剰照射」が主な原因です。つまり、水中の養分が多すぎる状態ですね。
  • 対策:
    1. まず餌やりを数日間完全に止めます。
    2. すだれなどで遮光し、日光を減らします。
    3. ミナミヌマエビやヒメタニシなどの「掃除屋」を追加します。
    4. ホテイアオイなど、養分吸収能力が非常に高い水草を追加します。
  • 備考: 実は、濃すぎないグリーンウォーターは植物プランクトンが豊富な証拠で、メダカの稚魚にとっては最高の餌場にもなります。観賞性は下がりますが、一概に「悪」とも言えないのが面白いところです。

糸状のコケ(アオミドロ)

  • 原因: これも主な原因は「富栄養化」です。
  • 対策:
    1. 割り箸やピンセットで、地道に手で取り除きます。
    2. コケを食べてくれる「ミナミヌマエビ」を導入するのが最も効果的です。
    3. 根本対策として、餌の量を徹底的に見直します。

最終手段「リセット」は慎重に

あまりにアオミドロがひどく、手に負えない場合は、生物をすべて取り出して容器を丸洗いする「リセット」という最終手段もあります。しかし、これはせっかく育てたバクテリア(生態系)をゼロに戻す行為です。

リセット後は、また「水づくり」からやり直す必要があります。根本的な原因(餌のやりすぎや日光過多)を解決しないままリセットしても、またすぐにコケだらけになってしまいます。あくまで最終手段と考えてくださいね。

メダカの冬越し準備

メダカは日本の魚なので、屋外で冬越しが可能です。むしろ、冬の寒さを経験させることで、春の産卵が促進されたり、丈夫に育つとも言われています。この時期、私たちがやることは「何もしないこと」と「少しの手助け」です。

冬眠とは?

水温が15℃あたりからメダカの活動は鈍くなり、水温が10℃以下になると、底の方でじっとして動かない「冬眠」状態に入ります。この状態では、餌も食べませんし、フンもほとんどしません。体力を温存して春を待っているんですね。ですので、冬場(10℃以下)の餌やりは不要です。食べ残しが水を汚すだけになってしまいます。

① 氷の対処:「割らない」こと

冬になり、水面が凍っても慌てないでください。水面が凍る程度なら、水中のメダカは平気です(水底の水温は4℃程度で安定しています)。

ここで、メダカが酸欠になるんじゃないかと心配して氷を叩き割るのは厳禁です。その衝撃(水圧の急変)で、冬眠中のデリケートなメダカがショック死する可能性があります。

唯一の例外は、連日の寒波で氷が分厚く(例:水深の半分以上)なってしまい、メダカの生活スペースが物理的になくなった場合です。その時だけは、お湯をかけて氷のフチを溶かすなどして、そっと氷の塊を取り除きます。

② 水位の確保:「足し水」

冬でも水は蒸発しますし、氷を取り除くと水位が下がります。水位が低いと、今度こそメダカごと全部凍ってしまう危険があります。

水深を確保するため、冬でも「足し水」は必要です。ただし、この時も注意が必要です。冷たい水道水をそのまま入れるのはNG。水温を合わせた汲み置き水を、晴れた日の暖かい時間帯に、普段以上にゆっくりと慎重に注いであげてください。

100均でDIYする低予算アイデア

「まずは低予算で試してみたい」「いきなり高価な睡蓮鉢はちょっと…」という方には、100均(ダイソー、セリアなど)のアイテムを使ったDIYも可能です。

100均プランターDIYのリスク

例えば、100均の園芸コーナーにある「大きめの植木鉢(プランター)」を容器として流用する方法があります。ただし、これには注意が必要です。

100均プランターDIYの注意点

植木鉢には当然「底穴」が開いています。これを塞ぐために、屋外用の強力な補修テープや、グルーガンなどで防水加工する必要があります。

しかし、これらの耐久性(紫外線や水中での劣化)は未知数で、数ヶ月〜数年後に水漏れが発生するリスクは否定できません。また、グルーガンの樹脂素材やテープの粘着剤が水中に溶け出して、生物に無害であるという保証もありません。

個人的には、一時的な実験ならともかく、長期的な運用にはあまりおすすめできないかな…と思います。

推奨:低コスト・高耐久な代替案

専門家(私)が推奨する低コスト・高耐久な代替案

もし低コストと耐久性を両立させたいなら、100均DIYより、ホームセンターで数百円〜1,000円程度で売られている「トロ舟(左官用コンクリートミキサー)」「NVボックス」を強く推奨します。

これらは元々、屋外での過酷な使用を前提に作られているため非常に丈夫で、生体に無害な素材(ポリプロピレン等)でできています。何より安価で大容量。多くのビオトープ愛好家が使っている定番アイテムですよ。

また、水草の植え付けが難しい場合は、栄養が詰まった土台に水草が植えられた「侘び草(Wabi-kusa)」という製品を使うと、底砂に「置くだけ」でレイアウトが完了するので、非常に手軽です。

庭のビオトープ作り方の総まとめ

庭のビオトープ作り方の総まとめ

庭のビオトープ作り方、いかがでしたでしょうか。たくさんのステップがありましたが、一番大切なのは「生態系サイクル(バクテリアと水草の関係)」を理解することです。これさえ分かっていれば、問題が起きても慌てずに対処できます。

このサイクルさえ意識すれば、アオコやコケを力ずくで排除する(敵とみなす)のではなく、「お、養分が多すぎるサインだな。餌を減らして、水草を足そう」というように、システム管理者として対処できるようになります。

ビオトープ成功への道(おさらい)

  • 設置場所(半日陰)を吟味する
  • 生物をすぐに入れない(「水づくり」を徹底する)
  • 生物や水草を「詰め込みすぎない」(余白が大事)
  • 夏の高水温と冬の凍結対策を忘れない
  • 基本は「足し水」で、「放置」する勇気を持つ(いじりすぎない)

この記事で紹介した作り方や管理方法は、あくまで一般的な目安です。お庭の環境や使う容器、お住まいの地域によっても状況は変わってきます。生体の健康に関わることですので、最終的な判断は、お近くのペットショップの店員さんなど、専門家の意見も参考にしながら進めてくださいね。

ぜひ、あなただけのお庭の「小さな生態系」づくり、楽しんでみてください!

  • この記事を書いた人

なおと

はじめまして! 知識ゼロからDIYでの庭づくりに挑戦し、たくさんの失敗を乗り越えてきた経験を元に、初心者さんがつまずきやすいポイントを丁寧に解説しています。雑草だらけだった庭が、少しずつお気に入りの空間に変わっていく喜びを、あなたと分かち合えたら嬉しいです。 詳しいプロフィールはこちら »

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