ブロック塀にキッチンハイターは危険?塩害や変色リスクと正しい洗い方

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ブロック塀にキッチンハイターは危険?塩害や変色リスクと正しい洗い方

こんにちは。お庭マエストロ、運営者の「なおと」です。

家の周りを囲うブロック塀、ふと気づくと黒ずんでいたり、緑色のコケがびっしりと生えていたりして「うわっ、汚いな…」とショックを受けたことはありませんか?そんな時、真っ先に思いつくのが「家にあるキッチンハイターを使えば、安くて手軽に真っ白にできるんじゃない?」というアイデアだと思います。

実際にネットで検索してみると、ハイターを使った掃除方法がたくさん出てきますし、見違えるほど白くなっている画像を見ると試したくなる気持ち、痛いほどよく分かります。

ですが、ちょっと待ってください。ブロック塀の掃除に塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)を使うことには、建物の寿命そのものを縮めてしまう深刻なリスクが潜んでいるんです。安易に使ってしまうと、数年後に塀がボロボロ崩れてきたり、鉄筋が錆びて強度が落ちてしまったりと、後で取り返しのつかない事態になるかもしれません。

今回は、なぜハイターがそこまで危険視されるのか、その科学的な理由から、それでもどうしても使いたい場合の「被害を最小限に抑えるためのギリギリの裏技」、そしてプロも推奨する本当に安全なメンテナンス方法まで、包み隠さず詳しく解説していきますね。

ポイント

  • キッチンハイターがブロック塀の寿命を縮める「塩害」の恐ろしい仕組み
  • サンポールやお酢と混ぜた時に発生する「塩素ガス」の屋外での危険性
  • 大切な植栽や花壇を枯らさないための、プロ直伝の養生と希釈テクニック
  • 数百円の節約よりも効果大?プロも推奨する安全なコケ除去の代替手段

ブロック塀にキッチンハイターを使う危険性

ブロック塀にキッチンハイターを使う危険性

「とりあえず白くなればきれいになった証拠でしょ?」と思ってキッチンハイターをかけてしまうのは、実はブロック塀にとってかなり過酷なダメージを与えていることになります。  

コンクリートブロックは、石のように硬く見えても実は非常にデリケートな多孔質素材。ここでは、単なる見た目の変化だけでなく、構造そのものを脅かす具体的なリスクについて、少し専門的な視点も交えながらお話しします。

コケへの効果と白くなる変色のリスク

キッチンハイターを汚れたブロック塀にかけると、魔法のように黒ずみやコケが一瞬で消えて真っ白になりますよね。この即効性こそがハイター最大の魅力ですが、これは主成分である「次亜塩素酸ナトリウム」が持つ強力な酸化作用によるものです。コケやカビの細胞壁を化学的に破壊し、色素そのものを漂白してしまうため、見た目には劇的な変化が現れます。

しかし、ここで注意してほしいのが、「白くなった=汚れが完全になくなった」わけではないという点です。ハイターは表面の色素を破壊しますが、コケの根や死骸(有機物)は、ブロック表面の無数の小さな穴(細孔)の中に残ったままになっていることが多いんです。実は、この「漂白された死骸」が、次に飛んでくるカビの胞子やコケにとって、格好の「栄養源(エサ)」になってしまうという皮肉な現実があります。

つまり、ハイターで掃除をすると、一時はきれいになりますが、表面が荒れたり栄養源が残ったりすることで、以前よりもコケが生えやすい環境を作ってしまう「リバウンド現象」が起きやすいのです。「掃除したばかりなのに、またすぐ緑色になってきた…」と感じる場合、まさにこの悪循環に陥っている可能性が高いですね。ただ白くするだけでなく、「菌を根元から除去し、再発を防ぐ」という視点がないと、永遠にイタチごっこを続けることになってしまいます。 

漂白の罠に注意

「白い=清潔」ではありません。漂白された有機物が細孔に残っている限り、それは次のカビのための「肥料」を撒いているのと同じこと。再発サイクルはむしろ早まる可能性があることを覚えておきましょう。

塩害でコンクリートがボロボロになる

塩害でコンクリートがボロボロになる

これが今回、私が最も強くお伝えしたい最大のリスクです。キッチンハイターを使った後、成分が分解されると最終的に何が残るかご存じでしょうか?化学反応式を紐解くと分かりますが、答えは「塩(塩化ナトリウム)」です。極端な言い方をすれば、ブロック塀に高濃度の食塩水を塗りたくっているのと、化学的にはほぼ同じことをしているんです。

コンクリートは水を吸い込みやすい性質(吸水性)を持っています。表面に塗られた塩分は、水分と一緒にコンクリートの内部深くまで染み込んでいきます。そして、その奥にある「鉄筋」に到達すると、恐ろしい「塩害(えんがい)」を引き起こします。通常、コンクリート内部は強いアルカリ性で守られており、鉄筋は錆びないようになっています(不動態皮膜)。しかし、塩素イオン(塩分)はこの守りを破壊し、鉄筋を急速に錆びさせてしまうのです。

鉄は錆びると、酸化して体積が約2.5倍にも膨れ上がります。この膨張する力は凄まじく、内側からコンクリートを押し広げ、ひび割れ(クラック)を作ったり、最悪の場合は表面が爆発したように剥がれ落ちる「爆裂(スポーリング)」という現象を引き起こしたりします。こうなると、ブロック塀の強度はガタ落ち。地震などの際に倒壊するリスクも高まってしまいます。

国土交通省の資料などでも、コンクリート構造物の劣化要因として「塩害」は非常に警戒されています。海沿いの家だけでなく、実は「間違った掃除方法」によって、内陸部でも人工的な塩害を引き起こしてしまうケースがあることは、あまり知られていません。

(出典:国土交通省『適切な道路管理による道路構造物の延命化(PDF)』 ※塩害による鉄筋腐食とコンクリート剥離のメカニズムについて詳しく記載されています)

サンポールやお酢と混ぜると有毒ガス発生

ブロック塀の汚れがあまりに頑固だと、ついつい洗浄力を上げようとして、いろいろな洗剤を試したくなりませんか?特に、白い汚れ(エフロレッセンス)には酸性の洗剤が効くため、「サンポール(酸性)」と「ハイター(塩素系)」を同じ場所に使ってしまう人がいますが、これは絶対にNGな行為です。

皆さんも「混ぜるな危険」という表示を見たことがあると思います。次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)と酸性タイプの液体(サンポール、クエン酸、お酢など)が混ざると、急激な化学反応を起こして「塩素ガス」が発生します。

「外だから風で飛んでいくでしょう?」と軽く考えるのは禁物です。塩素ガスは空気よりも重いため、地面近くに滞留しやすい性質があります。しゃがんで作業をしているまさにその位置に、高濃度のガスが溜まる可能性があるのです。吸い込むと目や喉の激しい痛み、めまい、吐き気を催し、最悪の場合は化学性肺炎や呼吸器障害を引き起こすこともあります。

また、直接混ぜなくても、「酸性洗剤で洗った直後に、流しきれていない状態でハイターをかけた」といった場合でも反応は起きます。DIYでいろいろな薬剤を試行錯誤している時こそ、知らず知らずのうちに成分が混ざってしまう事故が起きやすいので、同時使用や連続使用は絶対に避けてください。

 花壇の植物や庭木が枯れる可能性

花壇の植物や庭木が枯れる可能性

ブロック塀は、敷地の境界線にあることが多く、そのすぐ足元には大切な花壇や家庭菜園、あるいは隣家の庭木があるというケースも多いですよね。ハイターを含んだ洗浄水が土に流れ込むと、そこでも深刻な「塩害」が発生します。

植物は、根っこから水分を吸い上げて生きていますが、これには「浸透圧」という仕組みが関係しています。土の中の塩分濃度が高くなりすぎると、植物は逆に根から水分を奪われてしまい、水をあげているのに枯れてしまう「立ち枯れ」や「生理障害」を起こします。これは、漬け物を作る時に野菜から水分が抜けていくのと同じ原理です。

さらに厄介なのは、一度塩分が染み込んでしまった土壌を元に戻すのは非常に大変だという点です。水で洗い流そうとしても完全には抜けきらず、最悪の場合はそのエリアの土をすべて入れ替える必要が出てくるかもしれません。「塀のコケを落とすために数百円のハイターを使ったら、数万円かけて育てたバラが全滅した…」なんてことになったら、目も当てられませんよね。

もし、除草剤やブロック塀周りの雑草対策について、もっと安全な方法や全体的な管理術を知りたいという方は、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ併せて参考にしてみてください。植物への影響を最小限にする工夫は、お庭作りにおいてとても大切です。

塗装や目地へのダメージと寿命への影響

最近の住宅では、無機質なコンクリートブロックだけでなく、表面におしゃれな塗装(ジョリパットなど)や化粧仕上げが施されたデザイン塀も増えていますよね。こういった加工がされた塀に対して、ハイターのような強アルカリ性の薬剤を使用するのは、美観を損ねる大きなリスクがあります。

アルカリ成分は、塗装の塗膜(樹脂成分)を化学的に分解・劣化させる力があります。その結果、せっかくの色が変色してしまったり、塗装がボロボロと剥がれ落ちてしまったりすることがあります。また、ブロック同士をつなぎ合わせている「目地(モルタル)」部分も、強すぎる薬剤によって成分が溶け出し、痩せてしまうことがあります。

目地が劣化してひび割れ(クラック)が入ると、そこは雨水の侵入ルートになります。雨水が内部に入れば、先ほど説明した鉄筋の腐食がさらに加速し、塀の寿命を一気に縮めることになります。

ただの汚れ落とし」のつもりが、結果的に「塀の破壊」に手を貸していることになりかねません。数百円の節約のために、将来的に数十万円かかる塀の作り直しや再塗装のリスクを背負うのは、長期的なコストパフォーマンス(コスパ)の観点から見ても、決して良い選択とは言えないですよね。

ブロック塀をキッチンハイターで洗う手順

ここまで散々「危険だ」「やめたほうがいい」とお伝えしてきましたが、それでも「来客があるから今日中にどうしても白くしたい」「専用剤を買う余裕がない」という切実な事情がある方もいらっしゃると思います。また、既に買ってしまって後戻りできないという方もいるかもしれません。

そんな方のために、あくまで「自己責任」という前提にはなりますが、リスクを最小限に抑えるための「比較的マシな」施工手順と、プロも実践する養生テクニックをまとめました。やるなら中途半端にせず、徹底的に対策をして行ってください。

正しい薄め方と水での希釈倍率

まず大前提として、原液をそのままブロック塀にかけるのは絶対にやめてください家庭用のキッチンハイター(濃度約5〜6%)であっても、コンクリートにとっては刺激が強すぎますし、塩分濃度が高すぎて即座に塩害レベルになります。

使用する場合は、水で10倍〜20倍程度に薄めて使うのが鉄則です。「濃いほうが効く」というのは間違いで、濃すぎると素材を傷めるだけです。バケツに水を張り、少しずつハイターを加えて希釈液を作ってください。

そして、ここからがプロの裏技であり、最も重要な工程です。洗剤を塗る前に、必ず行うべき「儀式」があります。

【最重要】事前の「水養生(みずようじょう)」

【最重要】事前の「水養生(みずようじょう)」

洗剤を塗る前に、ブロック塀全体にシャワーでたっぷりと水をかけてください。コンクリートが「もうこれ以上水を吸えない!」という満腹状態(飽和状態)になるまで濡らすのがポイントです。

なぜこれが必要かというと、乾いたスポンジに醤油を垂らすと奥まで染み込みますが、水を含んだスポンジなら表面で止まるのと同じ理屈です。乾燥したブロックにいきなり洗剤を塗ると、毛細管現象で成分が深部まで一気に吸い込まれてしまいます。  

事前に真水で内部を満たしておくことで、ハイターの成分が内部の鉄筋まで到達するのを防ぎ、表面のコケだけに作用させることができるのです。これが、建物を守るための生命線です。

 塗布後の放置時間と洗浄のポイント

しっかりと水養生ができたら、希釈したハイター液をハケやローラーを使って、汚れが気になる部分に塗布していきます。スプレーだと風で飛散して衣服や近隣へ迷惑をかけるリスクがあるので、ローラーでコロコロと塗るのがおすすめです。

塗布したら、10分〜15分ほど放置して成分を反応させます。この待ち時間の間に注意すべきなのは、「絶対に乾燥させないこと」です。途中で乾いてしまうと、分解された塩分が結晶化してコンクリートの細孔にガッチリとへばりついてしまいます。夏場などで乾きそうな場合は、上から希釈液を追加で塗るか、霧吹きで水分を補給して「濡れた状態」をキープしてください。

そして、最後は「すすぎ」です。ここが一番の手抜きポイントになりがちですが、見た目が白くなったからといってサッと水を流して終わりにしてはいけません。表面のヌルヌルが取れただけでは、細孔の中にはまだ薬剤と塩分が残留しています。

通常の掃除の倍以上の時間をかけて、執拗なまでに大量の水で洗い流してください。高圧洗浄機がある場合は、弱めの設定でしっかりとすすぐのも有効です。「塩を抜く」という意識を持って、徹底的に洗いましょう。

高圧洗浄機やブラシ選びの注意点

「薬品は怖いから、物理的に削り落とそう」と考えて高圧洗浄機を使う方も多いですが、これにも注意点があります。家庭用の高圧洗浄機でも、至近距離で噴射すると水圧が高すぎて、コンクリート表面のセメントペースト(ノリの役割)を削り取ってしまうことがあります。

表面が削れてザラザラ(骨材が露出した状態)になると、表面積が増え、次回から余計にコケの胞子や汚れが引っかかりやすくなります。「高圧洗浄機をかけたら、前より早く汚れるようになった」という声が多いのはこのためです。使用する場合は、一点集中ノズルではなく扇状ノズルを使い、壁面から20〜30cm離して、表面を撫でるように洗うのがコツです。

また、手作業でブラシがけをする場合、金属製のワイヤーブラシは絶対に使用しないでください。硬すぎてブロックを傷つけるだけでなく、ブラシから抜けた微細な金属片がブロックの目に詰まり、それが雨で錆びて茶色いシミ(もらい錆)を作る原因になります。使うなら、デッキブラシやナイロンブラシ、洗車用の硬めのブラシなどが適切です。最近では、電動ドリルの先端に付けられるナイロンブラシなども売っていますので、そういった文明の利器を活用するのも手ですね。

専用洗剤コケそうじ等とのコスパ比較

専用洗剤コケそうじ等とのコスパ比較

ここまで読んで、「ハイターって意外と面倒だしリスクが高いな…」と感じた方もいるかもしれません。そこで比較検討したいのが、屋外専用のコケ除去剤です。「コケそうじ」「キエール コケ・カビ」といった商品がホームセンターやネットで販売されています。

 

 

確かにキッチンハイターは数百円で買えますが、これまで説明した通り「塩害リスク」「植栽へのダメージ」「再発の早さ」という目に見えないコスト(将来的な修繕費や土壌入替費)が隠れています。一方で、専用剤は1本1,000円〜数千円と初期費用は高めですが、その分メリットも大きいです。

多くの専用剤は「中性」で作られており、コンクリートや鉄筋を傷める心配がありません。また、主成分である「塩化ベンザルコニウム(逆性石鹸)」や「銅イオン」などは、汚れを落とすだけでなく、ブロックの表面に留まって抗菌作用を発揮し続けます。つまり、「今あるコケを落とす」だけでなく「次のコケが生えるのを防ぐ(予防)」効果があるのです。

項目 キッチンハイター 専用除去剤(コケそうじ等)
価格 安い(数百円) 中〜高(千円〜)
即効性 非常に高い(数分) ゆっくり(数日〜数週間)
建物リスク 高い(塩害・鉄筋腐食) 低い(中性・素材に優しい)
予防効果 なし(すぐ再発しやすい) あり(成分が残留し抗菌)
植栽への影響 大(枯れるリスク高) 小(製品によるが比較的安全)

「年に何度もハイターで掃除して、そのたびに塀の寿命を削る」のと、「年に1回程度、専用剤を散布して、塀を守りながらきれいな状態を保つ」のとでは、長い目で見れば専用剤の方が圧倒的にコストパフォーマンスが良いと言えるのではないでしょうか。手間もリスクも減らせるのが、専用アイテムの強みですね。

ブロック塀はキッチンハイターより専用剤を

結論として、ブロック塀のメンテナンスにキッチンハイターを使うのは、あくまで「自己責任」かつ「緊急時の裏技」程度に考えておいた方が無難です。特に、ひび割れが既にある古い塀や、倒れたら危険な高い塀、また大切な植栽が近くにある環境では、絶対に使わないようにしてください。

数百円の節約のために、大切な家の資産価値を下げてしまったり、ご近所トラブルの種を作ってしまっては本末転倒です。できればホームセンターで売っている「塩化ベンザルコニウム」配合の専用クリーナーや、農薬成分を使っていない「コケそうじ」のような製品を選んで、安全に、そして長くきれいな状態をキープしてあげてくださいね。

それが結果的に、あなたのお家にとっても、お財布にとっても、一番お得で賢い選択になると思います。正しい知識を持って、大切なお庭と建物を守っていきましょう!

  • この記事を書いた人

なおと

はじめまして! 知識ゼロからDIYでの庭づくりに挑戦し、たくさんの失敗を乗り越えてきた経験を元に、初心者さんがつまずきやすいポイントを丁寧に解説しています。雑草だらけだった庭が、少しずつお気に入りの空間に変わっていく喜びを、あなたと分かち合えたら嬉しいです。 詳しいプロフィールはこちら »

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