
気が付くと、庭に見知らぬ猫がいる。
最初は見かけるだけだったのに、最近では頻繁に出入りし、ついには住み着いてしまったようだ…。
このような「野良猫が庭に住み着く」問題に頭を悩ませていませんか?
野良猫が庭に来る理由や、なぜそこが住み着く理由となったのか?
具体的な対策として、住み着いた猫を追い出す方法や、効果的な寄せ付けない方法を知りたい方も多いでしょう。
また、深刻なうんちの問題や、苦情はどこに相談すればよいのか、住み着いた猫について保健所の対応はどうなっているのか、様々な疑問が浮かびます。
この記事では、野良猫が庭に住み着く原因から、ご自身の敷地内でできる具体的な対処法まで、段階を追って詳しく解説します。
ポイント
- 野良猫が庭を好む具体的な理由
- フン尿被害や騒音などの実害と相談先
- 猫を傷つけずに敷地から遠ざける方法
- 再発防止のために環境を整えるポイント
なぜ野良猫は庭に住み着くのか
- 野良猫が庭に来る理由
- 野良猫が住み着く理由と好む環境
- 放置は危険。野良猫のうんち問題
- 騒音や悪臭。苦情はどこに相談?
- 野良猫が住み着いた場合の対処法
「最近、うちの庭が野良猫の通り道どころか、休憩場所になっているみたい…」
野良猫が特定の庭を好むのには、猫なりのハッキリとした理由があります!
まずは敵(猫)を知ることから始めましょう。
野良猫が庭に来る理由
野良猫があなたの庭に頻繁に姿を見せるのには、いくつかの明確な理由が存在します。最も大きな理由は、そこにエサがある、またはエサをもらえると学習したためです。
たとえあなたが直接エサを与えていなくても、過去にご近所の誰かが気まぐれで食べ物を与えたかもしれません。
猫は非常に賢く、「エサがもらえる場所」を確実に記憶し、何度も訪れます。
また、意図せずエサ場を提供してしまっているケースも少なくありません。
例えば、屋外で飼っているペットの食べ残しを放置したり、生ゴミの管理が甘く、猫が袋を破って食べ物を漁れる状態になっていたりする場合です。
バーベキューの残り香なども猫を強く引き寄せます。
安全な「通り道」としての利用
猫は自分の縄張り(テリトリー)を持っており、毎日パトロールする習性があります。
あなたの庭が、他の敵対的な猫や犬に遭遇しにくい「安全な通り道」として認識されている可能性もあります。
この段階では「通過」するだけですが、居心地が良いと分かれば、次のステップである「休憩場所」や「すみか」へと発展していきます。
このように、猫が庭に来る背景には「食料の確保」と「安全の確保」という、生きるための本能的な理由が強く関わっています。
野良猫が住み着く理由と好む環境

庭に来るだけだった野良猫が「住み着く」ようになるのは、その場所が猫にとって単なる通り道以上に「安全で居心地が良い」と判断されたからです。
猫は非常に警戒心が強い動物であり、外敵(他の猫、犬、カラス、人間など)から身を守れ、安心して休息・睡眠がとれる場所を「すみか」として選びます。
具体的には、以下のような環境が住み着く理由となります。
猫が「すみか」として好む環境の具体例
- 隠れ場所がある:
猫は本能的に狭い場所を好みます。
これは、敵から身を隠し、背後を気にせず安心して休めるためです。
人の出入りが少ない物置の隙間、縁の下、生い茂った植え込みの中、使われていないガレージの奥などは絶好の隠れ家となります。 - 雨風をしのげる:
体温の低下を防ぐため、雨や風を直接受けない場所は非常に重要です。
軒下、ガレージの中、室外機の裏、放置されたダンボール箱の中などは、快適な寝床になり得ます。 - 快適な温度:
猫は快適な温度の場所を見つける天才です。
夏場は日陰で風通しの良い涼しい場所、冬場は室外機の排気熱で暖かい場所や、日当たりが良く柔らかい土の上などを好みます。 - 出産・子育てに適している:
特に春先(2月~4月頃)の繁殖期には、メス猫は安全に子猫を産み、育てられる人目につかない静かな場所を必死で探します。
物置の奥や天井裏、床下などは、子育てに最適な場所と判断されやすく、一度住み着くと長期化する原因になります。
もしあなたの庭にこれらの条件が複数揃っていると、猫にとって格好の「すみか」としてロックオンされてしまうのです。
放置は危険。野良猫のうんち問題
野良猫が住み着くことで発生する最も深刻かつ直接的な問題の一つが、フン尿による被害です。
猫は縄張り意識が非常に強く、自分のテリトリーと決めた場所やその周辺に、マーキングとしてフンや尿をします。
特に野良猫のフンは、栄養管理されたキャットフードを食べている飼い猫と比べて非常に強い悪臭を放つことが知られています。
これは、狩りで得た小動物や漁った生ゴミなど、タンパク質が豊富な(あるいは腐敗した)食べ物を消化・分解する際に、強い臭いの原因となる成分(硫黄化合物など)が大量に発生するためです。
フンだけでなく、オスのマーキング行動(スプレー)による尿の臭いも強烈です。
一度スプレーをされると、その臭いは簡単には取れません。
さらに、猫のフンを放置すると、わずか1日程度でハエなどの害虫が大量に発生する原因にもなります。
これは衛生面で非常に大きな問題であり、ゴキブリなどを誘引する可能性も高まり、庭の手入れや洗濯物を干すといった日常生活さえ困難にさせます。
感染症(ズーノーシス)のリスクにも注意
野良猫は、様々な細菌や寄生虫を持っている可能性があります。
そのフンや尿、あるいは猫自身に触れることで、人間に感染症がうつる(ズーノーシス:人獣共通感染症)可能性もゼロではありません。
例えば、フンに含まれる寄生虫による「トキソプラズマ症」(特に妊婦の方が感染すると胎児に影響が出る可能性があります)や、猫に引っかかれたり噛まれたりすることで感染する「猫ひっかき病(バルトネラ症)」、「パスツレラ症」などが知られています。
(参照:厚生労働省:「 動物由来感染症を知っていますか?」)
フンを処理する際は必ずゴム手袋とマスクを着用し、処理後は石鹸で徹底的に手を洗う習慣をつけてください。
騒音や悪臭。苦情はどこに相談?

前述のフン尿の悪臭に加え、繁殖期の鳴き声による騒音も深刻な問題です。
特に春や秋の繁殖期には、オス猫がメス猫を求めて出す独特の甲高い声や、オス同士が縄張りを争う際のうなり声・叫び声が、昼夜問わず続くことがあります。
この奇声とも言える騒音は、睡眠を妨げるだけでなく、ご近所トラブルの大きな火種となります。
こうした被害に悩んだ場合、どこに苦情を相談すればよいのでしょうか?
感情的に怒鳴り込んだりせず、まずは適切な窓口を知ることが重要です。
主な相談先窓口とその役割
- 自治体(市役所・区役所)の担当課:
「環境政策課」「生活衛生課」「環境保全課」など、名称は自治体によって異なります。
ここは、フン尿や騒音といった「生活環境への被害」について相談する最初の窓口です。
公的機関が猫を「駆除」や「捕獲」することは原則としてありませんが、被害状況を伝えることで、猫よけ対策の具体的なアドバイス(忌避剤の紹介や対策パンフレットの提供など)を受けられる場合があります。 - 保健所:
自治体と同様に、生活環境被害の相談窓口となります。また、地域によっては「地域猫活動(TNR活動)」を推進している場合があり、そうした情報提供を受けられる可能性もあります。 - 警察(「#9110」警察相談ダイヤル):
警察は「生活環境の被害」ではなく「犯罪」を取り扱う機関です。
もし猫が明らかに虐待されている(毒エサを置かれている、ケガをさせられている、遺棄された直後であるなど)場合は、動物愛護法違反の可能性があります。
緊急性が低い場合や相談の段階では、110番ではなく警察相談ダイヤル「#9110」にかけると、適切な部署につないでもらえます。
(参照:政府広報オンライン「警察相談専用電話 #9110」)
まずは自治体の窓口に「フン尿被害で困っている」と具体的に相談し、どのような対策が考えられるかアドバイスを求めることから始めましょう。
野良猫が住み着いた場合の対処法

野良猫がすでにあなたの庭を「すみか」と定めてしまった場合、基本的な対処法はただ一つ、「猫にとって居心地の悪い環境を作ること」です。
猫は知性が高く、学習能力があります。
一度「ここは危険だ」「不快だ」「エサが手に入らない」「安心して眠れない」と学習した場所には、執着心が強くても次第に近づかなくなります。
重要なのは、対策を根気強く継続することです。
猫は非常に執着心が強い動物です。
「ちょっと対策したけど効果がなかった」と諦めてしまうと、猫は「ここはやっぱり安全だ」と再学習してしまい、問題は元に戻ってしまいます。
中途半端な対策は逆効果になることさえあるのです。
ただ単に大きな音を出して追い払うだけでは、その場限りであり、あなたがいない隙に必ず戻ってきます。
猫の五感(特に嗅覚、聴覚、触覚)に訴えかけ、猫が自ら「この場所はすみかには適さない」と判断するよう仕向けることが、根本的な解決への唯一の近道となります。
野良猫が庭に住み着く問題の対策
- 住み着いた猫を追い出す際の注意点
- 住み着いた猫。保健所に相談できる?
- 物理的に侵入を防ぐ構造物
- 猫を二度と寄せ付けない方法
- 野良猫が庭に住み着く前の予防策
「もう我慢できない!今すぐ追い出したい!」 そのお気持ちは分かりますが、焦りは禁物です。
猫を追い出す際には、法律やご近所への配慮など、守るべき重要な注意点があります。
住み着いた猫を追い出す際の注意点

野良猫による深刻な被害に悩まされているからといって、猫を傷つける行為は絶対に許されません。
これは感情論ではなく、法律による明確なルールです。
野良猫であっても「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」によって守られる「愛護動物」です。
虐待したり、みだりに殺傷したりすると厳しく罰せられます。
当然、熱湯をかける、毒エサを置く、エアガンで撃つといった行為は明確な犯罪です。
また、捕獲器などで捕まえて、遠くの公園や山に放す行為(遺棄)も、猫を危険にさらし、新たな場所で問題を引き起こす原因となるため、法律で禁止されています。
(出典:環境省「動物の愛護と適切な管理」)
子猫がいないか必ず確認を
もし物置や縁の下にメス猫が住み着いている場合、子猫を産んでいる可能性を疑ってください。
特に春先や秋口に、親猫が頻繁に出入りしている場合は要注意です。
子猫がいるのに気づかず、親猫だけを追い出して侵入口を塞いでしまうと、子猫が取り残されて餓死してしまう最悪の事態になりかねません。
追い出し対策を実行する前に、物音や鳴き声がしないか、数日間注意深く観察してください。
もし子猫がいるようであれば、親猫が子猫を安全な場所へ移動させるまで待つか、お住まいの自治体や動物愛護団体に相談するのが賢明です。
さらに、猫よけ対策が近隣トラブルに発展しないよう配慮することも重要です。
例えば、臭いの強い忌避剤を使用する場合は、風向きを考慮し、隣家の窓や洗濯物の近くでの使用は避けるか、事前に一言断っておくといった気配りが求められます。
すべての対策は、必ずご自身の敷地内のみで完結させるようにしてください。
住み着いた猫。保健所に相談できる?

前述の通り、保健所や動物愛護センターに「相談する」ことは可能です。
しかし、多くの方が期待する「野良猫の捕獲」や「駆除」を依頼することは原則としてできません。
この背景には法律の違いがあります。
犬の場合は「狂犬病予防法」により、飼い主には登録、鑑札の装着、予防接種、係留(つないでおくこと)が義務付けられています。
そのため、放浪している犬(野犬)は保健所による抑留・保護の対象となります。
一方で、猫にはこのような登録制度や放し飼いを規制する法律がありません。
そのため、外にいる猫が「飼い猫」なのか「野良猫」なのかを行政が判断・区別することはできず、飼い主の所有権を侵害する恐れがあるため、安易に捕獲・駆除ができないのです。
公的機関の役割は、あくまで住民からの相談対応や、猫よけ対策に関する情報提供が中心となります。
「地域猫活動(TNR活動)」という選択肢
自治体によっては、野良猫問題を根本的に解決するため「地域猫活動」を推進している場合があります。
これは、捕獲(Trap)し、不妊去勢手術(Neuter)を行い、元の場所に戻す(Return)活動です。
手術済みの猫は一代限りの命となり、繁殖を防ぐことで将来的に野良猫の数を減らしていくことを目的としています。
もし「追い出す」だけでなく、地域全体の問題として解決したいという思いがあれば、自治体にこうした活動の支援制度がないか相談してみるのも一つの方法です。
ただし、明らかに負傷している猫や、自力で生きられない乳飲み子(母猫がいない場合)については、動物愛護の観点から保健所が保護・収容の相談に乗ってくれる場合があります。
状況に応じて、まずは電話で冷静に相談してみるのがよいでしょう。
物理的に侵入を防ぐ構造物
猫を寄せ付けないためには、猫が「歩きにくい」「侵入できない」ようにする物理的な対策が非常に効果的です。
猫は肉球が非常に敏感なため、トゲトゲした場所や足場が不安定な場所、濡れている場所を極端に嫌います。
また、猫の驚異的なジャンプ力(体高の約5倍)や柔軟性を考慮し、侵入経路となり得る場所を的確に塞ぐ必要があります。
具体的な物理的対策と設置のコツ
- トゲトゲシート(ここダメシート):
ホームセンターや園芸店で販売されているプラスチック製のトゲトゲしたシートです。
猫がよく通る塀の上や、フンをする花壇の土の上などに設置します。
コツ:猫はわずかな隙間でも見つけてそこを歩きます。必ず隙間なく敷き詰め、風で飛ばされないよう杭や重しでしっかり固定することが重要です。 - 釣り糸・テグス:
猫の侵入経路や塀の上に、猫の目線や足が引っかかる高さ(例:地面から10cmと30cmなど、複数の高さ)に釣り糸を張ります。
猫からは見えにくいため、歩こうとすると何かが体に触れる不快な感触を嫌がって避けるようになります。 - 金網や柵:
猫が飛び越えられない高さ(最低でも1.5m以上、できれば2m)の柵で敷地を囲ったり、縁の下や通気口などの侵入口を目の細かい金網(ラティスなど)で物理的に塞いだりします。猫はよじ登るのも得意なため、柵の上部を内側または外側に傾ける「忍び返し」のような構造にすると、より効果的です。 - 割り箸や竹串:
花壇や畑など、柔らかい土の場所に割り箸や竹串を多数刺す方法もあります。
トゲトゲシートより安価ですが、腐ったり、雨で倒れたりするため、定期的なメンテナンスが必要です。 - マルチング材や砂利:
地面が露出した柔らかい土は、猫にとって最高のトイレです。
こうした場所を、猫が歩くのを嫌がる大きめの砂利、クルミの殻、ウッドチップといったマルチング材で覆ってしまうのも有効な対策です。 - 地面を覆う植物(グラウンドカバー):
地面を覆うように密に茂る植物(例:ローズマリーの匍匐性(ほふくせい)タイプ、タイム、コニファーなど)を植えることで、猫が歩きにくく、フンをしにくい環境を作るのも一つの方法です。
これらの対策は、猫が「ここは快適ではない」と学習するまで、根気強く続けることが成功の鍵となります。
猫を二度と寄せ付けない方法
物理的な対策と並行して、猫の優れた「嗅覚」や「聴覚」に訴えかける方法も非常に有効です。
これらは猫を傷つけずに不快感を与え、追い払うための忌避対策として広く知られています。
重要なのは、猫が慣れてしまわないよう、複数の方法を組み合わせたり、ローテーションしたりすることです。
| 対策の種類 | 具体的な方法 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|---|
| におい(忌避剤) | 市販の忌避剤 (液状、粒状、スプレー) | 猫が嫌う成分(メントール系、柑橘系、木酢液系など)が配合されており、効果が出やすい。 | 雨風で効果が薄れやすい。継続的な散布が必要。同じ臭いだと猫が慣れるため、複数の種類をローテーションするのがおすすめ。 |
| 木酢液・竹酢液 | 独特の燻製臭(火事を連想させる)を猫が嫌う。土壌改良や虫除け効果も期待できる。 | 原液は刺激が強いため希釈が必要。臭いが強いため近隣への配慮が必要。雨で流れると効果がなくなる。 | |
| ハーブ類・柑橘類 (ミカン等の皮、ハッカ油、レモングラス、ローズマリーなど) | 景観を損ねにくい。人間にとっては良い香りであることも多い。安価に入手できる。 | 効果は市販品よりマイルド。猫が慣れやすい。柑橘類の皮は乾燥すると効果が落ちるため、頻繁な交換が必要。 | |
| 食用酢 | 手軽に入手でき、安価。 | 酸の臭いはすぐに揮発するため持続性が低い(1日程度)。植物に直接かかると枯れる恐れがあるため、散布場所に注意。 | |
| 音・光(機器) | 超音波発生器 (ガーデンバリアなど) | センサーで猫を感知し、猫が嫌う周波数の超音波を発生させる。効果が高いとされる。 | 人によっては(特に若者)不快なモスキート音が聞こえる場合がある。耳が聞こえない猫には無効。電池交換や設置場所の調整が必要。 |
| その他 | 水を撒く | 猫は体が濡れることを非常に嫌う。見かけた際にホースなどで(猫を傷つけない水圧で)水を撒くと、「ここは危険だ」と学習させやすい。 | 常に監視しているわけにはいかない。驚かせるレベルに留め、水圧で怪我をさせないよう細心の注意が必要。 |
最重要!マーキング臭を徹底的に消すこと
猫は自分の尿の臭いが残っている場所に繰り返しマーキング(フン尿)をする習性があります。
忌避剤を撒く前に、まず被害にあった場所の臭いを徹底的に消すことが何よりも重要です。
臭いを消すには、まずフンを取り除いた後、熱湯(素材を傷めないか確認要)や、重曹水、またはペット用の酵素系・バイオ系の消臭スプレー(市販の芳香剤は臭いを上乗せするだけなので逆効果)で徹底的に清掃します。
臭いをリセットした上で、忌避剤を設置・散布することで、対策の効果が格段に上がります。
野良猫が庭に住み着く前の予防策

野良猫が一度住み着いてしまうと、追い出すのには多大な労力と時間、そして費用がかかります。
「野良猫が庭に住み着く」問題の最善の策は、そもそも猫が「住み着きたい」と思わない環境を日頃から作っておくこと、すなわち「予防」です。
猫を寄せ付けないための予防策は、これまでに挙げた「住み着く理由」を一つひとつ潰していくことに他なりません。
1. エサ場にしない(食料の遮断)
最も重要な予防策です。猫が食べるものが一切ないと分かれば、立ち寄る理由がなくなります。
生ゴミは必ず蓋付きのゴミ箱に保管し、ゴミ出しのルール(時間や場所)を厳守してください。
屋外で飼っているペットのフードボウルは、食べ終わったらすぐに片付けるか、室内で給餌するようにしましょう。
バーベキューの後片付けなども迅速に行い、食べ物の匂いを残さないことが鉄則です。
2. 寝床・隠れ場所にしない(安全の遮断)
猫が安心して休める場所を提供しないことも重要です。
物置やガレージの戸は常に閉めておくことを習慣づけましょう。
縁の下や通気口など、猫が侵入できそうなわずかな隙間(成猫は数センチの隙間でも通り抜けます)は、金網やネットで物理的に塞いでおきます。
また、生い茂った植え込みは定期的に剪定し、見通しを良くして隠れ場所を減らすことも効果的です。
3. トイレにしない(快適さの遮断)
猫は、柔らかく乾いた土や砂利の場所を好んでトイレにします。
花壇や家庭菜園の周りなど、地面が露出している場所には、予防的にトゲトゲシートや大きめの砂利、ウッドチップ、クルミの殻などを敷き詰めておきましょう。
猫が嫌うハーブ類(ローズマリーやラベンダーなど)を植えておくのも、ガーデニングと予防を兼ねた良い方法です。
野良猫を住み着かせないための予防策まとめ
- 野良猫が庭に住み着く問題は日々の環境整備で予防する
- 猫にとって「エサ場・寝床・トイレ」のない居心地の悪い場所にする
- エサとなる生ゴミは蓋付きの容器で厳重に管理する
- 敷地内や近隣で安易なエサやりをしない・させない
- 一時的なエサやりが猫を呼び寄せる原因になると理解する
- 物置やガレージの戸締まりを徹底する
- 縁の下や換気口など侵入できそうな隙間は金網で塞ぐ
- 植え込みを剪定し、室外機の裏などもこまめにチェックして隠れ場所を減らす
- 柔らかい土の場所は砂利やトゲトゲシート、植物で覆う
- 被害がひどくなる前に自治体や保健所に相談する
- 全ての対策は猫を傷つけない動物愛護の範囲内で行う
- 近隣住民とトラブルにならないよう十分な配慮を忘れない