
こんにちは。お庭マエストロ、運営者の「なおと」です。
「芝生の庭に憧れていたけど、実際の手入れが大変すぎる…」そう感じて、芝生以外の庭づくりを検討している方は、本当に多いんじゃないかなと思います。私も芝生の手入れ、特に梅雨時期から夏にかけての雑草対策や、終わりのない芝刈りの大変さはよく分かります。
芝生以外の庭にしたいと思っても、人工芝や固まる土、手軽な砂利敷き、おしゃれなウッドデッキやタイルなど、たくさんの選択肢がありますよね。どれがおしゃれで、どれが一番安くDIYできるのか、具体的な費用は?逆に、デメリットや「こんなはずじゃなかった」と後悔するポイントはないの?など、疑問が次々と出てくるかもしれません。
この記事では、そんな「芝生以外の庭」を実現するための様々なアイデアと、それぞれの素材が持つメリット・デメリットを、私のこれまでの経験も踏まえながら、できるだけ分かりやすく、詳しく解説していきますね。
ポイント
- 芝生をやめるメリットと具体的な代替案がわかる
- 人工芝や固まる土で後悔しやすいポイント
- おしゃれで手入れが楽な素材の選び方
- DIYと業者依頼の費用や雑草対策の比較
芝生以外の庭を選ぶ理由と代替案
多くの方が一度は憧れる、青々とした天然芝の庭。ですが、その美しい景観を「維持し続ける」のは、想像以上に大変な作業です。「芝生以外の庭」を選ぶことは、その「大変さ」から解放され、もっと自分のライフスタイルに合った庭を手に入れるための第一歩かなと思います。ここでは、まず芝生管理の現実的なデメリットと、それに代わる主な選択肢を詳しく見ていきましょう。
芝生管理の大きなデメリット
天然芝の管理で最も多くの人が直面するのは、やはり「終わりなきメンテナンス」という現実だと思います。
まず、芝生は生き物ですから、当然成長します。特に成長期にあたる夏場は、美しい景観を維持するために週に1回、場合によってはそれ以上の頻度での芝刈りが必要になるケースも少なくありません。貴重な休日が、暑い中での芝刈り作業で潰れてしまうのは、体力的な負担もかなり大きいですよね。
そして、芝生管理における最大の敵が雑草です。芝生用の除草剤を撒いても、芝生の隙間から次々と生えてくる雑草を、一つ一つ手で抜き続ける作業は、まさに「終わりなき戦い」です。抜いても抜いても、いつの間にか生えている…このループに疲れてしまう方は本当に多いです。
芝生ならではの悩みは他にも…
芝刈りや雑草以外にも、天然芝ならではの悩みはたくさんあります。
- 継続的な維持コスト: 美しい緑を保つための肥料代、病害虫予防の薬剤代、そして夏場の乾燥期には大量の水やりが必要になるため、水道代もかさみます。
- 病害虫とサッチ管理: 芝生はデリケートで、病気にかかったり害虫が発生したりすることもあります。また、枯れた芝生が堆積する「サッチ」を定期的に除去(サッチング)しないと、水はけや風通しが悪くなり、生育不良の原因になります。
- アレルギーの問題: 芝生の多くはイネ科の植物です。そのため、イネ科の花粉症を持っている方にとっては、庭がアレルギーの原因になってしまう可能性があります。
- 日当たり問題: そもそも、芝生の健全な生育には十分な日照時間が必要です。多くの日本の住宅環境、特に都市部では、建物の影などで十分な日当たりを確保できず、芝生がうまく育たないケースも多いです。
こうした日々の管理が最終的に行き届かなくなると、芝生が部分的に枯れてしまったり(デッドパッチ)、雑草が芝生を凌駕してしまったりして、手入れされた芝生よりもかえって見苦しい景観になってしまう…。これが、多くの方が「もう芝生は嫌だ」と、「芝生以外の庭」を検討する決定的な理由かなと思います。
固まる土で後悔しないポイント

「固まる土」は、真砂土(まさつち)などにセメント成分を配合した舗装材で、その名の通り、水をかけて固めることで雑草を防ぐアイテムです。自然な土の風合いを保ちながら雑草対策ができるのが魅力ですね。
コンクリートやタイルのような無機質な見た目ではなく、柔らかく自然な景観に仕上がること、そして物理的に地面を固めるので高い防草性が期待できる点が大きなメリットです。製品によっては透水性を持つものも多く、水たまりができにくいのも嬉しいポイントです。
手軽そうに見えるためDIYでも人気がありますが、一方で「後悔した」という声も非常に多い、注意が必要な素材でもあるんです。
固まる土の主なデメリットと後悔ポイント
- ひび割れ(クラック): 地盤の沈下や、施工時の転圧(地面を突き固める作業)不足、必要な厚み(通常3~5cm程度)が不足していることが原因で、ひび割れが発生しやすいです。一度割れると、そこから雑草が生えたり、見た目が悪くなったりします。
- コケ・カビの発生: 透水性がある反面、日陰や湿気の多い場所(特に北側の庭など)では、表面にコケやカビが発生しやすいです。これをきれいに保つには、高圧洗浄機や専用の除去剤での定期的な清掃が必要になります。
- DIYの難易度: 「水をかけるだけ」と聞くと簡単そうですが、材料を均一に混ぜ、均一な厚みで平坦に施工するのは意外と難しいです。ムラができやすく、プロの仕上がりとは大きな差が出やすい素材でもあります。
そして、私が考える最大のリスクは「撤去が極めて困難」なこと。一度固めると、その名の通りカチカチになります。コンクリート同様の産業廃棄物に近い状態になるため、将来的に「やっぱりここを花壇に戻したい」「別の素材に変えたい」と思っても、自力での撤去はほぼ不可能です。業者に依頼すると、撤去と処分に莫大な費用がかかります。
この「やり直しがきかない(不可逆性)」こそが、固まる土を選ぶ際の最大の後悔ポイントになり得ます。
固まる土(真砂土)を使った舗装については、真砂土を庭に使う方法と注意点!水たまりや雑草対策まで完全ガイドの記事でも詳しく解説しているので、もし検討されている場合は、ぜひこちらのデメリットも読んでみてください。
施工する場合は、この「元に戻せない」リスクを十分に理解した上で、慎重に判断してくださいね。
人工芝のリアルな質感と課題

「庭に緑は欲しい。でも、メンテナンスは一切したくない」という、ある意味で究極のニーズに応えてくれるのが人工芝です。芝刈り、水やり、施肥、雑草抜きといった、天然芝につきもののメンテナンスが一切不要になるのが最大のメリットですね。
最近の製品は本当によくできていて、見た目や手触りが非常にリアルです。葉の長さや色合い、枯れ葉の表現(茶色いパイル)まで混ざっていて、一見しただけでは本物と見分けがつかないほど高品質なものも増えています。一年中、冬でも枯れることなく均一で鮮やかな緑を保てるのも、天然芝にはない大きな魅力です。
ただし、メリットだらけに見える人工芝にも、導入前に知っておくべき課題はしっかりあります。
人工芝の主な課題(デメリット)
- 高額な初期費用: 高品質でリアルな製品は、それ自体が高価です。さらに、美しい仕上がりと防草性、排水性を確保するためには、しっかりとした下地施工(地面の整地、路盤整備、転圧、そして防草シートの敷設)が不可欠です。この下地施工に専門的な技術と費用がかかります。
- 夏の熱問題: これが最大の課題かもしれません。人工芝はプラスチック(主にポリエチレンやポリプロピレン)でできているため、夏場の直射日光が当たる場所では、表面が非常に高温になります。
- 耐用年数と劣化: 一般的に約10年が耐用年数の目安とされています。屋外で紫外線を浴び続けるため、劣化は避けられません。徐々に色褪せたり、葉(パイル)が抜けたり、寝てしまったりします。
- 廃棄コスト: 耐用年数を迎えて交換する際、撤去した人工芝は産業廃棄物扱いとなるため、自治体によっては粗大ごみとして出せず、専門業者による処分が必要となり、廃棄コストが高額になる可能性があります。
夏の熱問題は最大の課題
デメリットの中でも特に注意してほしいのが、夏の熱問題です。
独立行政法人国民生活センターのテストでも、夏場の人工芝の表面温度が60℃を超えるケースが報告されています。
ここまで高温になると、裸足での歩行は火傷の危険がありますし、小さなお子様やペットがいるご家庭では特に深刻な問題です。天然芝が気化熱で周囲の温度を下げてくれるのとは対照的に、人工芝は熱を溜め込んでしまいます。日当たりの良い庭に敷く場合は、シェードを設置するなどの熱対策が必須になると考えておいた方が良いでしょう。
どれだけリアルになっても、本質は「プラスチック」製品です。この人工的な質感と、夏の熱問題を許容できるかどうかが、人工芝選びの満足度を左右する最大のポイントかなと思います。
安い砂利敷きはDIYできる?

庭の手入れを楽にする選択肢として、砂利敷きは最も手軽で、初期費用を安価に抑えられる方法の一つです。使用する砂利の種類にもよりますが、材料費が比較的安く、特別な専門技術が不要なため、DIY(自分での施工)に最も適した素材と言えますね。
メリットは、その低コストとDIYの容易さです。また、砂利の種類によっては、踏むと「ジャリジャリ」と大きな音が鳴るため、「防犯効果」も期待できます。砂利自体が水を通すため、透水性が高く、水たまりの心配がほぼないのも大きな利点です。
一方で、もちろんデメリットもあります。導入してから「こんなはずじゃなかった」とならないよう、しっかり確認しておきましょう。
歩きにくさと安定性の問題
砂利敷きの最大のデメリットは、その「歩きにくさ」かもしれません。砂利が沈み込むため、足元が安定しません。ベビーカーや車椅子、自転車の通行は困難ですし、ヒールのある靴で歩くのも大変です。
もし、砂利敷きのエリアを通路として使う必要がある場合は、歩く部分だけに平板(コンクリート製や石材の板)や枕木を設置して、歩行路を確保する工夫が必要になります。
清掃の困難さ
次に問題になるのが、掃除のしにくさです。特に樹木の近くでは、落ち葉が砂利と混ざってしまい、ホウキで掃き出すのが非常に困難です。ゴミが砂利の隙間に入り込むと、一つ一つ拾うしかありません。
砂利敷きの庭をきれいに保つには、ブロワー(送風機)で落ち葉やゴミを吹き飛ばすのが最も効率的で、ほぼ必需品になると言ってもいいかもしれません。
夏場の照り返しと高温
砂利も、種類によっては夏場に高温になります。特に黒やグレーなどの暗色系の砕石は熱を吸収しやすく、かなりの高温になります。逆に、白玉砂利のような白系の砂利は、太陽光を強く反射して非常に眩しく、照り返しが強くなることがあります。
【最重要】砂利敷きは「防草シート」が絶対条件
ここでよくある大きな誤解が、「砂利を厚く敷けば雑草は生えない」というものです。これは残念ながら間違いです。
砂利を敷いただけでは、砂利の隙間から雑草は必ず生えてきますし、風で飛んできた種が砂利の上に着地し、そこに土埃が溜まって発芽することも(いわゆる「上から雑草」)。
砂利敷きで雑草対策を成功させる鍵は、砂利そのものではなく、その下に敷設する高品質な「防草シート」です。この防草シートこそが雑草を物理的に抑え込む「本体」であり、砂利はあくまでその「仕上げ材(化粧)」に過ぎません。
この下地処理を怠ったり、安価で質の悪いシートを使ってしまうと、結局は雑草に悩まされ、しかも砂利が邪魔で除草しにくいという最悪の事態を招きます。
グランドカバーの選び方と管理

「庭に緑は欲しいけれど、芝刈りは絶対にしたくない」という方には、グラウンドカバープランツ(被覆植物)がおすすめです。これらは芝生のように上に伸びるのではなく、地面を這うように横に広がって地面を覆う能力を持つ植物たちの総称です。
最大のメリットは、植物ならではの景観の多様性です。芝生のような均一な緑だけでなく、様々な葉の色や形、季節によっては可愛らしい花を楽しむことができます。そして、芝生のような定期的な刈り込みは原則として不要です。
ただし、植物である以上、「ノーメンテナンス」ではないことには注意が必要です。ここを誤解していると、導入後に後悔することになります。
グランドカバーの主な管理作業
- 初期の雑草抜き: 植え付けたばかりの頃は、植物と植物の間に隙間がたくさんあります。この隙間から生えてくる雑草との戦い(芝生と同様)が、植物が地面を完全に覆うまでの間、必須になります。ここで雑草に負けると、グランドカバーは広がりません。
- 侵食の管理: 繁殖力が旺盛な種類は、意図しない場所(花壇や隣家の敷地、通路など)まで容赦なく侵食していきます。そのため、定期的に切り戻したり、境界(縁石など)を設けたりする管理が必ず必要になります。
特性別・おすすめグランドカバー
グランドカバーを選ぶ際は、「その場所を人が歩くか(踏圧への耐性)」と「日当たりはどうか(日向向きか日陰向きか)」の2点で選ぶのが基本です。
【踏圧に強い・日向向き】
リッピア(ヒメイワダレソウ):
非常に強健で、地面を覆うスピードが速いのが特徴です。雑草抑制力が高く、芝生の代わりとして、ある程度の踏圧にも耐えます。「踏圧に強い」と言われる代表格ですね。ただし、その繁殖力はメリットであると同時にデメリットでもあり、管理を怠るとあっという間に広がりすぎます。また、冬は地上部が枯れて茶色くなります(地域によります)。
クリーピング・タイム:
踏むとタイム特有の良い香りがするハーブです。乾燥に強く、ロックガーデンなどにも適しています。成長はリッピアに比べると比較的ゆっくりです。高温多湿の蒸れにやや弱い性質があるため、梅雨時期の切り戻しなど、少し管理にコツがいるかもしれません。
【日陰・半日陰向き】
リュウノヒゲ(玉竜):
非常に強健で、日陰に強い代表的なグランドカバーです。日本の気候にも適しており、和風・和モダンな景観によく合います。ただし、成長が非常に遅いのが特徴です。また、踏圧には適していません(歩く場所には不向き)。コンクリートのスリット(溝)や、建物周りの「眺める」場所の縁取りなどに最適です。
ダイカンドラ(ミクランサ種):
ハート型の可愛らしい葉が特徴で、日陰でも明るい緑を保ってくれます。ですが、踏圧には非常に弱いです。人が頻繁に立ち入るとすぐに擦り切れて枯れてしまいます。人が立ち入らない「観賞用」のゾーン専用と考えるべきですね。
芝生以外の庭をおしゃれにする方法
「芝生以外の庭」は、メンテナンス性を追求するだけでなく、デザイン性やおしゃれさを高める大きなチャンスでもあります。天然芝の「緑一色」とは違い、様々な素材を組み合わせることで、ご自身の好みに合った空間を創り出せます。ここでは、庭を「第二のリビング」や「おしゃれな空間」として活用するための素材を紹介しますね。
おしゃれなタイルやレンガの魅力

デザイン性、高級感、そして耐久性を最も重視するなら、タイルやレンガ、天然石などの石材が最有力候補です。特に、リビングの延長としてBBQスペースにしたり、テラスとして活用したりするような、人がよく歩き、活動する「メイン利用エリア」に最適ですね。
最大のメリットは、その圧倒的なデザイン性と高級感です。素材の質感や色の組み合わせ次第で、ヨーロピアンな洋風、落ち着いた和風、シャープなモダンなど、あらゆるデザインを実現できる自由度の高さがあります。また、陶器や石材は耐候性が非常に高く、適切な施工(しっかりとした下地)を行えば、数十年単位での耐久性を持ちます。表面が汚れた場合も、デッキブラシや高圧洗浄機でゴシゴシ掃除できるメンテナンスの容易さも魅力です。
一方で、もちろんデメリットもあります。導入費用が最も高額になる選択肢の一つです。
タイル・レンガの注意点と施工費
- 高額な初期費用: 材料費そのものも高価なものが多いですが、それ以上に「下地(コンクリート基礎)」の施工費が高額になります。美しい仕上がりと、将来的な沈下や割れを防ぐための耐久性を担保するには、強固なコンクリート基礎が不可欠だからです。
- 専門的な施工技術: 下地作りから、水平を取りながら一枚一枚タイルを貼り、目地を仕上げていく作業まで、高度な専門技術(左官技術)が必要です。DIYでの施工は非常に困難であり、美しい仕上がりを求めるなら専門業者への依頼が必須です。
- 目地からの雑草: 目地をモルタルで埋めずに砂で仕上げる場合(レンガ敷きなどで見られます)や、施工が不十分で隙間ができた場合、そこから雑草が生えてくることがあります。対策として、下地全体に防草シートを敷設する、目地を専用の固まる砂(防草目地)で充填するなどの方法があります。
レンガを使った雑草対策やDIYの方法に興味がある方は、庭にレンガを並べるだけの雑草対策は本当に効果的?失敗しないDIYのコツも参考にしてみてください。下地処理の重要性がよく分かるかなと思います。
ウッドデッキで第2のリビングを

庭を「第二のリビング」として室内とフラットに繋げ、空間を最大限に活用したい場合に代表的なのがウッドデッキです。
リビングの床の高さ(掃き出し窓の高さ)とウッドデッキの高さを合わせることで、室内空間がそのまま外に広がったかのような、開放的なくつろぎの空間を創出できるのが最大のメリットです。地面から高さがあるため、夏場でも地面からの直接的な照り返しが比較的少なく、快適に過ごせるのも良い点ですね。
ウッドデッキには、大きく分けて「天然木」と「人工木(樹脂木)」の2種類があり、それぞれ特性が全く異なります。
天然木 vs 人工木(樹脂木) 特性比較
天然木(ハードウッド、ソフトウッド)
- メリット: 何といっても質感が非常に高く、本物の木ならではの自然の温もりがあります。ハードウッド(ウリン、イペなど)は非常に硬く高耐久ですが高価です。ソフトウッド(杉、ヒノキなど)は安価ですが、より頻繁なメンテナンスが必要です。夏場でも表面が人工木ほど熱くなりにくいのも利点です。
- デメリット: 定期的な再塗装や防腐処理が必須です。これを怠ると、腐食やシロアリのリスクが高まります。特に安価なソフトウッドは、メンテナンスの頻度が高くなります。
人工木(樹脂木)
- メリット: 樹脂と木粉の複合材でできており、メンテナンスフリー(塗装不要)なのが最大の強みです。腐食やシロアリの心配もありません。
- デメリット: 天然木(特にソフトウッド)より初期費用が高い傾向があります。また、夏場は直射日光で表面が非常に高温になり、裸足で歩けないほどになる製品もあります(遮熱タイプも出ています)。質感がプラスチック的に感じられることもあります。
どちらも一長一短あるので、ご自身のライフスタイルや、「メンテナンスにどれだけ時間をかけられるか」「初期費用とランニングコストのどちらを重視するか」で選ぶのが良いかなと思います。
踏圧に強いグランドカバーは?
先ほどのセクションでも少し触れましたが、「緑が欲しい」というニーズの中で、特に「人が少し歩く場所」にも使いたい場合に重要になるのが「踏圧(ふみあつ)への耐性」です。
芝生の代わりとして、ある程度の踏圧に耐えられるグランドカバーは、残念ながらそう多くはありません。
踏圧に強いとされる代表的なグランドカバー
リッピア(ヒメイワダレソウ)
非常に強健で、踏まれることである程度は耐えられます。ただし、これはあくまで「人が時々通る」程度です。芝生のように「上で子供が走り回って遊ぶ」ほどの耐性は期待できません。また、先述の通り、繁殖力が旺盛すぎるため、通路部分だけに留めておく管理が追いつかないと、意図しない場所まで広がってしまう点には注意が必要です。
クリーピング・タイム
リッピア同様、ある程度の踏圧には耐えます。踏むと良い香りがするのが特徴です。乾燥には強いですが、日本の高温多湿な梅雨時期は蒸れて弱ることがあるので、風通しを良くするなどの管理が少し必要な、中級者向けの植物かもしれません。
踏圧に「弱い」グランドカバーに注意
逆に、ダイカンドラやリュウノヒゲ(玉竜)、苔(コケ)、セダム類の多くは、踏圧には非常に弱い(または全く耐えられない)です。
これらを「芝生の代わり」として人が歩く場所に植えてしまうと、すぐに擦り切れて枯れてしまい、無残な姿になってしまいます。これらは、人が頻繁に立ち入らない「観賞用スペース」や、建物の周囲(犬走り)、コンクリートのスリットなどに限定して使うのが賢明です。
このように、庭を「歩く場所(高頻度利用)」と「眺める場所(低頻度利用)」でしっかり分けて(これをゾーニングと言います)、場所の目的に合った素材を使い分けることが、後悔しない庭づくりの最大のコツですね。
費用と手間で素材を徹底比較
ここまで色々な素材を紹介してきましたが、結局「どれが一番コストパフォーマンスが良いの?」というのが、みなさんが一番気になるところだと思います。
ここで重要なのは、「初期費用(イニシャルコスト)」の安さだけで判断しないことです。天然芝のように、初期費用は安くても、その後の維持管理に費用と手間(ランニングコスト)がかかり続けるものもあります。
ですから、「10年間のトータルコスト(初期費用+10年分のメンテナンス費用)」で比較することが、合理的な判断に繋がります。
以下に、10平方メートルあたりの目安として、各素材のコストと手間を比較した表をまとめてみました。(あくまで目安として参考にしてくださいね)
| 比較対象 | 初期費用(目安) | メンテナンスの手間(年間) | 10年トータルコスト(試算) | 雑草防止効果 | 耐久性・耐用年数 | 夏場の快適性(熱) | 撤去・変更の容易さ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1. 天然芝 | 3万〜8万円 | 非常に多い | 13万〜38万円 | 非常に低い | (要管理) | ◎ 良好 | ◎ 容易 |
| 2. 砂利+防草シート(DIY) | 2万〜5万円 | 少ない | 2W万〜5万円 | ◯ 高い(シート依存) | 10年〜(シート) | △ やや暑い | ◎ 容易 |
| 3. 砂利+防草シート(業者) | 8万〜15万円 | 少ない | 8万〜15万円 | ◎ 非常に高い | 10年〜(シート) | △ やや暑い | ◯ 容易(要費用) |
| 4. 固まる土(DIY) | 4万〜10万円 | 中(コケ掃除) | 4万〜10万円 | ◯ 高い(クラック注意) | 5年〜10年 | △ やや暑い | × 不可逆 |
| 5. 固まる土(業者) | 15万〜25万円 | 中(コケ掃除) | 15万〜25万円 | ◎ 非常に高い | 10年〜 | △ やや暑い | × 不可逆 |
| 6. 人工芝(業者) | 20万〜35万円 | ほぼゼロ | 20万〜35万円 | ◎ 非常に高い(シート依存) | 約10年 | × 非常に暑い | △ 要専門費用 |
| 7. タイル・レンガ(業者) | 30万〜60万円 | 少ない | 30万〜60万円 | ◎ 非常に高い(目地依存) | 30年〜 | × 非常に暑い | × 不可逆 |
| 8. ウッドデッキ(人工木) | 25万〜50万円 | ほぼゼロ | 25万〜50万円 | (該当なし) | 15年〜 | × 暑い | △ 要専門費用 |
| 9. グラウンドカバー(DIY) | 1万〜4万円 | 中(初期・侵食管理) | 1万〜4万円 | △ 中(密度による) | (要管理) | ◎ 良好 | ◎ 容易 |
【重要】費用に関する注意点
上記の費用は、あくまで一般的な目安であり、使用する素材のグレード、下地処理の有無や内容、お住まいの地域、施工業者によって大きく変動します。
特に「固まる土」「タイル・レンガ」、そして表にはありませんが「コンクリート」は、一度施工すると元に戻すのが極めて困難(不可逆)であり、将来的に撤去・変更したくなった場合に莫大な費用がかかるという、金銭面以外のリスクも考慮に入れてください。
正確な費用を知るためには、一つの業者だけでなく、必ず複数の専門業者に現場を見てもらい、見積もり(相見積もり)を依頼して、ご自身の庭の状況に合った提案と費用を比較検討してくださいね。
この比較表から分かるように、初期費用が最も高い部類に入る「タイル・レンガ」や「人工芝」は、ランニングコストがほぼゼロのため、10年間の天然芝のメンテナンス費用(ランニングコスト)を考慮に入れると、その差が縮まることもあります。逆に、DIYの砂利敷きやグランドカバーは、初期費用もトータルコストも最も安価に抑えられる可能性を示していますね。
雑草対策は防草シートが重要

この記事で本当に何度も触れていますが、それだけ重要だということです。「芝生以外の庭」を選択する最大の動機が「芝生のメンテナンス(特に雑草)から解放されたい」という点にある以上、雑草対策は絶対に妥協してはいけないポイントです。
そして、その雑草対策において、最も重要な役割を果たすのが「防草シート」です。
「砂利を厚く敷けば雑草は生えない」「人工芝を敷けば大丈夫」と期待しがちですが、それは根本的な誤解です。中途半端な施工や、安価で質の悪いシートを使うと、砂利や人工芝、レンガの隙間から、スギナやチガヤのような強靭な雑草が突き抜けてきます。
砂利、人工芝、ウッドタイル、置き敷きのレンガなど、地面との間に土壌や隙間が残るすべての施工において、高品質な防草シートこそが、雑草との戦いに終止符を打つための「本体」であり、上物は「仕上げ材」なんです。
高品質な防草シートの選び方と施工のコツ
防草シートは「安かろう悪かろう」の典型的な製品です。一度敷いてしまうと交換は非常に困難(上の砂利や人工芝をすべて剥がす必要がある)なため、初期投資を惜しんではいけません。
シートの選び方(品質)
安価なシート(ホームセンターで安売りされている黒い織布タイプなど)は、紫外線で早期に劣化してボロボロになったり、網目から雑草に突き破られたりします。
選ぶべきは、以下の基準を満たす高品質な製品です。
- 高密度の「不織布(スパンボンド)」タイプ: 繊維がランダムに絡み合っているため、織布タイプより突き抜けに強いです。
- 耐用年数が10年以上をうたう製品: (砂利下・人工芝下など、紫外線が当たらない状態での耐用年数)
- 高い遮光率(99%以上): 光を遮断し、雑草の光合成を防ぎます。
施工のコツ(DIYでも必須)
高品質なシートを選んでも、施工がずさんでは意味がありません。
- 隙間を作らない(重ね合わせ): シート同士を並べる際は、必ず10cm以上重ね合わせる必要があります。この重ねシロが少ないと、隙間から雑草が生えます。
- 壁際・端の処理: 建物の基礎や障害物の周りこそ雑草が生えやすいポイントです。壁際まで隙間なく敷き詰め、必要であれば専用のテープで固定します。
- ピンの処理: シートを固定するピンの穴からも雑草は生えます。ピンの上から専用の補修テープを貼ることで、穴を塞ぎます。
防草シートの「限界」
防草シートが防げるのは、あくまで「下から」生えてくる雑草です。砂利や人工芝の上に、風で飛んできた雑草の種が着地し、そこに土埃が溜まって発芽する「上から」の雑草は防ぐことができません。ただし、これらはシートの上に根を張っているだけなので、根が深くまで張れず、比較的容易に引き抜くことができます。
理想の芝生以外の庭を実現
ここまで、「芝生以外の庭」を実現するための様々な選択肢を見てきました。いかがでしたでしょうか。
お分かりいただけたかと思いますが、残念ながら「あらゆる面で完璧な素材」は存在しません。どの素材にも必ずメリットとデメリットがあります。
「芝生以外の庭」を選ぶことは、天然芝の「多大なメンテナンスの手間」を、何か別のものと「交換(トレードオフ)」するプロセスなんだと私は考えています。
「芝生以外の庭」はトレードオフ
- 芝刈りの手間を、人工芝の「初期費用と夏の熱」と交換する。
- 芝生の雑草を、砂利の「歩きにくさと掃除の手間」と交換する。
- 芝生の維持費を、天然木デッキの「定期的な塗装の手間」と交換する。
- 芝生の手間を、固まる土やタイルの「初期費用と元に戻せないリスク」と交換する。
芝生をやめることは「庭を諦める」ことでは決してありません。それは、ご自身のライフスタイルや、庭にかけられる時間、予算に、庭を「最適化」する、非常に賢明な選択です。
そして、最も賢明な解は、多くの場合「単一の素材で庭全面を覆うこと」ではなく、セクションII(※本記事の構成案作成時の思考)で定義したような「庭の目的(ゾーン)」に応じて、素材を賢く組み合わせることです。
例えば、「ゾーン1(メイン利用エリア)」、つまり家族や友人とくつろぐ場所にはウッドデッキやタイルテラスを設置し、「ゾーン2(景観・低利用エリア)」、つまり建物の周り(犬走り)やあまり人が入らない場所には、高品質な防草シートと砂利敷きを採用して、コストとメンテナンス性を両立させる。
このように複数の素材を組み合わせることで、それぞれのデメリットを相殺し、メリットを最大化する「手入れが楽で、おしゃれで、機能的な」あなただけの庭が実現します。
この記事が、あなたの理想の「芝生以外の庭」づくりへの第一歩となれば、とても嬉しいです。