
こんにちは。お庭マエストロ、運営者の「なおと」です。
毎日仕事や家事に追われていると、どうしても優先順位が下がってしまうのが庭の手入れですよね。ふと気づけば雑草が伸び放題になり、「なんとかしなきゃ」と思いつつも、めんどくさい気持ちが勝って見て見ぬふりをしてしまう。そんな経験、誰にでもあるのではないでしょうか。実際、私の元にも「もう限界まで放置してしまって、どこから手をつけていいかわからない」という相談が数多く寄せられます。
しかし、放置された庭は単に見栄えが悪いだけでなく、病気や害虫のリスク、さらにはご近所トラブルや法律上の責任問題にまで発展する可能性があります。「たかが庭」と侮っていると、数百万円単位の損失につながることさえあるのが現代の住宅事情です。今回は、そんな悩める方のために、シルバー人材センターや業者に頼むべきか、それとも自分で対策すべきか、具体的な解決策を徹底的に解説します。
ポイント
- 庭を放置してしまう心理的な原因と、それが招く深刻なリスク
- 2023年の民法改正で変わった、放置された庭の法的責任
- 砂利やコンクリートなどを活用して、手入れのいらない庭にする具体的な方法
- 業者やシルバー人材センターに依頼する際の費用相場と選び方
庭の手入れをしない人の心理と末路
「庭が荒れている」という状態は、単なる怠慢ではなく、実は所有者のSOSサインであることも少なくありません。近所の目が痛い、家族に責められる……そんなプレッシャーを感じている方も多いはず。
ここでは、なぜ手入れができなくなってしまうのかという心理的な背景から、放置し続けた先に待っている現実的なリスクについて、少し踏み込んで解説していきます。
庭放置の裏にある心理と病気

庭の手入れができなくなる背景には、単なる「性格」の問題では片付けられない、深い心理的な要因が隠れていることがあります。特に近年、社会問題としても注目されているのが、セルフネグレクト(自己放任)との関連性です。
セルフネグレクトとは、生活を維持するために必要な行為を行う意欲や能力が低下してしまう状態のことを指します。例えば、うつ病や認知症といった病気、あるいは配偶者との死別、失業、子供の独立といった人生の大きな喪失体験(ロス)がきっかけとなることが多いです。
「生きること」へのエネルギーや気力が低下すると、人間はまず食事や入浴といった生命維持活動を優先し、庭の手入れのような「生存に直結しない高次の活動」から順に放棄していく傾向があります。
庭は、家の中で最も外部(社会)から見えるプライベート空間です。そのため、家の中がゴミ屋敷化していくプロセスにおいて、庭の荒廃は外部から観測できる最も初期のサインだと言われています。
もし、ご近所の庭が急に荒れ始めたり、ご自身の庭に対して急激に無関心になったりした場合、それは「だらしない」のではなく、心のエネルギーが枯渇し、助けを求めているサインかもしれません。
自分を責めるのではなく、まずはその心理的な負担を軽くすることを最優先に考える必要があります。植物を愛でる余裕は、心の健康があってこそ生まれるものなのです。
めんどくさいと感じる原因

病気とまではいかなくても、多くの人が「庭の手入れはめんどくさい」と感じています。実際、私も以前はそうでした。では、なぜこれほどまでに心理的なハードルが高いのでしょうか。その最大の原因は、庭の手入れが「成果の蓄積しない、終わりのない労働」であるという徒労感にあります。
部屋の掃除や模様替えなら、一度行えばしばらくは綺麗な状態が続き、達成感を得られます。しかし、庭の雑草は違います。特に梅雨から夏にかけての成長スピードは凄まじく、週末の貴重な休みを潰して汗だくになって草むしりをしても、翌週にはもう新しい芽が出ています。そして2週間もすれば元通り。「あんなに頑張ったのに」という無力感が学習され、次第に庭に出ること自体が苦痛になっていくのです。
また、「どこから手をつけていいか分からない」という認知的な混乱も大きな要因です。一度荒れすぎてしまった庭を前にすると、人間の脳は作業の全体像を把握できなくなります。「草を刈る道具がない」「刈った草をどう捨てるかわからない」「虫に刺されるのが怖い」といった小さな不安が積み重なり、最初の一歩を踏み出すのが億劫になります。
この「心理的障壁」が行動を強力に抑制し、さらに庭が荒れるという悪循環を生み出してしまうのです。SEOやブログ運営でもそうですが、タスクが巨大すぎると人は動けなくなります。庭も全く同じなんですね。
雑草が招く近所迷惑とトラブル

自分一人で住んでいる山奥のポツンと一軒家ならいざしらず、一般的な住宅街において庭の放置は、近隣住民との深刻なトラブルの火種になります。「うちは関係ない」と思っていても、植物は境界線を認識してくれません。
放置された庭が引き起こす具体的な実害
- 越境問題:伸びた枝が隣の敷地や道路へ侵入し、歩行者や車の通行を妨げる。カーブミラーを隠して事故の原因になることも。
- 衛生問題:落ち葉が隣家の雨樋(あまどい)に詰まって水漏れを起こしたり、排水溝を詰まらせたりする。
- 健康被害:ブタクサやイネ科の雑草が大量の花粉をまき散らし、近隣住民のアレルギー症状を悪化させる。
- 治安悪化:人の気配がない荒れた庭は「管理されていない」と見なされ、空き巣のターゲットになったり、タバコのポイ捨てや不法投棄を招いたりする。
特に恐ろしいのは、近隣住民が直接苦情を言ってくる前に、心の中で「あの家は迷惑だ」「常識がない」とレッテルを貼られてしまい、地域の中で静かに孤立してしまうことです。
町内会の回覧板が飛ばされたり、災害時に声をかけてもらえなかったりと、目に見えない形での社会的排除につながるリスクがあります。一度壊れた人間関係を修復するのは、庭の手入れ以上に困難で精神力を削られる作業です。
「近所に迷惑をかけていないか」という視点は、自分を守るためにも常に持っておく必要があります。
法律改正による所有者責任

「自分の土地に生えている木なんだから、どうしようと勝手でしょ?」と思っているなら、それは非常に危険で古い認識です。実は2023年(令和5年)4月に民法が大きく改正され、隣地から越境してきた枝に対するルールが劇的に変わりました。これまでは、被害を受けている側が圧倒的に不利でしたが、改正によってバランスが見直されています。
改正前の民法(第233条)では、隣の木の根が境界線を越えてきた場合は切り取ることができましたが、枝が越境してきた場合は、その木の所有者に「切ってください」と請求することしかできませんでした。被害者が勝手に切ることは許されていなかったのです。しかし、改正後は以下の条件のいずれかを満たせば、越境された側(被害者)が自ら枝を切り取ることが可能になりました。
| 条件 | 詳細内容 |
|---|---|
| 1. 催告 | 竹木の所有者に越境した枝を切除するよう催告(お願い)したが、相当の期間内(一般的に2週間〜1ヶ月程度)に切除しないとき。 |
| 2. 所有者不明 | 竹木の所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないとき(空き家問題などで所有者と連絡が取れないケース)。 |
| 3. 急迫の事情 | 台風で枝が折れそうで建物に被害が及びそうなど、急を要する事情があるとき。 |
(出典:法務省『民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)について(PDF)』)
これは、庭を放置している側からすれば脅威です。これまでは「無視していれば何もされなかった」のが、今後は「勝手に(法的手続きに則り)切除され、さらにその費用を後から請求される」可能性が生じるからです。
もちろん、いきなり切られることは少ないでしょうが、内容証明郵便が届くような事態になれば、精神的・金銭的なコストは甚大です。もはや「放置」は通用しない時代になったと認識し、早めの対処を心がけましょう。
害虫発生など放置のリスク

手入れ不足の庭は、人間にとっては不快ですが、害虫や野生動物にとっては天国のような環境です。伸び放題の雑草や積み重なった落ち葉の下は、適度な湿気と温度が保たれており、蚊、ムカデ、ゴキブリ、そして家を食い荒らすシロアリの温床となります。
特に夏場、藪のようになった庭はヤブ蚊の大量発生源となり、窓を開けることすらできなくなります。さらに深刻なのが、スズメバチが巣を作るリスクです。生い茂った枝の中は雨風をしのげるため、気づかないうちに巨大な巣を作られ、命に関わる事故につながるケースも後を絶ちません。ここまでくると、自分では駆除できず、専門業者に高額な費用を払って依頼するしかなくなります。
また、植物自体の健康リスクも無視できません。梅や桜などの庭木によく見られる「てんぐ巣病」などの伝染性の病気は、カビの一種が原因で発症します。重要なのは、一度発症してコブのようになってしまった部分は、薬剤では元に戻らないという点です。治療法は「物理的に切除する」しかありません。放置すれば菌は木全体に広がり、最終的には木そのものを伐採せざるを得なくなります。「自然のまま」と言えば聞こえはいいですが、管理されていない庭は、大切な庭木という「資産」を病気で毀損させている状態なのです。
人工芝や防草シートの下も要注意
「人工芝にしたから安心」と思っている方も油断は禁物です。施工の質が低く、地面との間に隙間があると、そこに入り込んだ落ち葉や土が腐葉土化し、虫の絶好の隠れ家になります。人工芝をめくったら大量のゴキブリやムカデが出てきた……なんていうホラーのような話も珍しくありません。庭の放置は、住環境そのものを根底から脅かすリスクなのです。
庭の手入れをしない人の解決策
ここまで怖い話ばかりしてしまいましたが、安心してください。解決策はあります。それは、「頑張って手入れをする」ことではなく、発想を転換して「手入れがいらない庭に変える」ことです。現代の技術やサービスをうまく使えば、罪悪感を持つことなく、きれいな庭を維持することは十分に可能です。ここでは、具体的な技術的解決策と、プロに頼む際のアウトソーシング戦略について解説します。
手入れのいらない庭にする方法

「庭の手入れをしない人」にとってのゴールは、雑誌に出てくるような美しいイングリッシュガーデンを作ることではありません。維持管理の手間を極限までゼロに近づけること、いわば「庭の断捨離」です。目指すべきは、植物の生命力に頼らない、工学的に管理された空間です。
具体的には、雑草が生える「土の面積」を物理的に減らすことが基本戦略となります。「植物を植える場所」と「草が生えない場所」を明確にゾーニングしましょう。例えば、植物を育てるスペースは管理しやすいプランターや、玄関脇の小さな花壇だけに限定します。そして、それ以外の広いスペースは、防草シート、砂利、コンクリート、タイルなどで徹底的に覆ってしまい、物理的に草が生えない状態を作ります。これを「引き算のガーデニング」と呼びます。
また、庭に物置を設置するのも有効な手段です。収納スペースが増えるだけでなく、物置を置いた分だけ土の面積が減るため、草むしりの範囲を狭めることができます。さらに、立水栓の周りをコンクリートで固めて「洗い場」を整備すれば、泥汚れを気にせず庭に出やすくなり、心理的なハードルを下げる効果も期待できます。
砂利やコンクリートの活用
庭の地面を覆う方法(グランドカバー)として、最も代表的なのが「砂利」と「コンクリート(土間コン)」です。それぞれの特徴とメリット・デメリットを比較してみましょう。
| 工法 | 防草性能 | 耐久性 | 初期費用 | 特徴と注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 土間コンクリート | ★★★★★ (最強) | ★★★★★ (半永久) | 高 (1㎡あたり1万円〜) | 雑草対策としては完璧に近く、掃除も掃くだけで済みます。ただし、夏場の照り返しが強く庭が暑くなることと、一度施工すると撤去に多額の費用がかかるため、将来的な変更が難しいのが難点です。 |
| 砂利敷き | ★★★☆☆ (普通) | ★★★★☆ (高い) | 低 (1㎡あたり3千円〜) | DIYでも挑戦しやすく、コストを抑えられます。歩くと「ジャリジャリ」と音がするので防犯効果も期待できます。しかし、落ち葉が砂利に混ざると掃除がしにくく、防草シートを敷かないと砂利の間から草が生えてきます。 |
特にコンクリートは、メンテナンスフリーを実現する最強の手段ですが、費用が高額になりがちです。一方、砂利は手軽ですが、失敗するパターンの9割は「防草シートを敷かずに直接土の上に砂利を撒く」ケースです。これでは数ヶ月で雑草が突き抜けてきます。必ず高品質な防草シートを下地に敷くことが成功の絶対条件です。
また、最近ではコンクリートの駐車場であっても、目地(ひび割れ防止の隙間)から生えてくるしぶとい雑草に悩む方が増えています。「コンクリートだから安心」と思っていたのに、隙間からド根性で生えてくる雑草には心が折れますよね。そういった細かい部分の対策については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
人工芝の導入と後悔しないコツ
一年中鮮やかな緑を楽しめて、水やりも肥料も不要。そんな夢のような素材として人気の人工芝ですが、導入してから「こんなはずじゃなかった」と後悔する声も少なくありません。失敗の原因の多くは、製品選びのミスと、下地処理(整地)の甘さにあります。
人工芝は、一度敷いてしまうと下の地面の状態を確認することが難しくなります。もし地面が凸凹のまま敷いてしまうと、雨水が溜まって水はけが悪くなり、カビやコケが発生したり、ジメジメした環境を好む害虫が湧いたりします。プロの業者が施工する場合、人工芝を敷く時間よりも、その下の土を平らに固める整地作業に多くの時間を費やします。それほど下地は重要なのです。
人工芝で失敗しないための3つの鉄則
- 整地を徹底する: 地面の凸凹をなくし、転圧機(プレート)などで固めて水はけを確保する。これが寿命を決めます。
- 高品質な防草シートを使う: 人工芝自体にも防草効果はありますが、継ぎ目や水抜き穴から雑草が生えるのを防ぐため、下には必ず専用の防草シートを敷きましょう。
- 安物を避ける: ホームセンターの格安人工芝は、紫外線に弱く1〜2年でボロボロになったり、変色したりします。初期費用はかかっても、耐久性の高い(高密度・高UVカット)製品を選ぶ方が、長い目で見ればお得です。
また、人工芝は「メンテナンスフリー」と思われがちですが、実際にはパイル(芝葉)の間に砂埃や髪の毛、ペットの毛などのゴミが溜まります。美しい状態を保つには、定期的なホウキでの掃き掃除や、掃除機掛け、パイルを起こすブラシ掛けが必要です。「完全に放置できる魔法の絨毯」ではないことを理解した上で導入しましょう。
業者に頼む時の料金相場
「DIYは体力的に無理」「道具を揃えるのが面倒」という場合は、潔くプロにお金を払って解決するのも立派な手段です。「時間は金で買う」と割り切ってしまいましょう。造園業者や植木屋に依頼する場合、料金体系は主に「木の本数と高さ(単価制)」または「職人1人あたりの日当(人工制)」で決まります。
一般的な料金目安(剪定作業):
- 低木(高さ3m未満):1本あたり 3,000円 〜 5,000円
- 中木(高さ3〜5m):1本あたり 6,000円 〜 9,000円
- 高木(高さ5m以上):1本あたり 15,000円 〜 25,000円
これに加えて、切った枝のゴミ処分費(軽トラ1台分で5,000円〜10,000円程度)や、出張費がかかるのが一般的です。また、松(マツ)やマキのように、仕立てに高度な技術と時間を要する樹種は、別途追加料金がかかります。
「職人さんに頼むのは敷居が高い」「いくら請求されるか不安」という方には、ダスキンなどの大手企業が提供している定額制の庭管理サービスがおすすめです。見積もりが明朗で、定期的な管理も任せられるため、忙しい現役世代に支持されています。詳しくは以下の比較記事もご覧ください。
ダスキン「お庭の手入れサービス」口コミや評判は?料金や内容を解説
シルバー人材センターの利用

「とにかく安く済ませたい」「芸術的な美しさはいらないから、苦情が来ない程度にスッキリさせてほしい」という方には、地域のシルバー人材センターが最強の選択肢です。これは、定年退職した地域のアクティブシニアが作業を行う公的な仕組みです。
シルバー人材センターの最大の魅力は、その圧倒的な安さです。植木屋に頼むと1日2〜3万円かかる作業でも、シルバー人材センターなら日当12,000円〜15,000円程度で済むことが多く、コストパフォーマンスは抜群です。簡単な草むしりや除草剤の散布だけなら、さらに安く済む場合もあります。
シルバー人材センター利用の注意点
- 予約が取りづらい:草が伸びる夏〜秋(特に盆暮れ前)は注文が殺到し、数ヶ月待ちになることもあります。早春などのオフシーズンに予約するのがコツです。
- 高所・危険作業はNG:高齢者の安全確保のため、高いハシゴを使う作業や、足場の悪い場所での作業は断られるケースが増えています。
- 技術のバラつき:元植木職人のベテランが来ることもあれば、趣味程度の経験しかない人が来ることもあります。「松の剪定」のような高度な技術を要する作業には不向きな場合があります。
「とりあえずバッサリ切ってほしい」「地面が見えればそれでいい」という割り切ったニーズには最適です。まずはお住まいの地域のセンターに電話で問い合わせてみましょう。
庭の手入れをしない人の庭じまい
最後に、これからの時代の新しい考え方として「庭じまい(庭のダウンサイジング)」を提案します。これは、終活の一環として語られることが多いですが、現役世代にとっても有効な戦略です。
庭じまいとは、ライフスタイルの変化や体力の低下に合わせて、庭の規模を縮小したり、機能を転換したりすることです。例えば、管理しきれない大きな庭木は思い切って伐採・抜根し、そのスペースを砂利敷きの駐車場に変えたり、メンテナンス不要の物置を設置したりします。「先祖代々の木だから」「せっかく植えたのにもったいない」という気持ちは痛いほど分かります。しかし、管理できずに放置して害虫を発生させたり、近隣トラブルを起こしたりする方が、よほど「もったいない」ですし、リスクが高いと言えます。
庭は本来、生活を豊かにし、心を癒やすための場所であるはずです。それが重荷になり、ストレスの原因になっているなら、それは本末転倒です。「庭の手入れをしない」と決めたなら、中途半端に放置して自分を責めるのではなく、「手入れをしなくて済む庭」へと積極的にお金をかけてリフォーム(投資)する。この発想の転換こそが、あなたを「庭の呪縛」から解放してくれるはずです。自分に合った方法で、安全で快適な住環境を取り戻してくださいね。