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庭で米を作るには?バケツやプランターでの育て方から収穫・籾摺りまで

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庭で米を作るには?バケツやプランターでの育て方から収穫・籾摺りまで

こんにちは。お庭マエストロ、運営者の「なおと」です。

「庭で米を作る」なんて、ちょっと壮大なプロジェクトに聞こえますよね。広い田んぼがないと無理なんじゃないか、水管理が大変そう、そもそもバケツ稲って聞くけどどうやるの?と、疑問は尽きないかなと思います。私も最初はそうでした。

でも実は、ベランダや庭先のプランターを使った陸稲(おかぼ)という育て方から、本格的なミニ田んぼの作り方まで、方法は色々あるんです。もちろん、無農薬で育てるための病気対策や、適した品種選び、使う土の問題もあります。そして、最大の山場かもしれない、収穫した後の籾摺り(もみすり)や精米といった作業が待っています。

この記事では、そうした「庭で米を作る」ための具体的な栽培方法を、種籾の準備から収穫して食べるまでの全ステップ、私が経験した失敗談も交えながらステップバイステップで解説していきますね。

ポイント

  • 栽培方法(バケツ・プランター・木枠)の選び方
  • 種籾の準備から田植え、中干しまでの重要ステップ
  • 農薬を使わない病害虫やスズメの対策
  • 収穫から籾摺り(もみすり)、精米までの流れ

庭で米を作る3つの栽培方法

庭で米を作る3つの栽培方法

「庭で米を作る」と一口に言っても、アプローチは一つじゃありません。ベランダで手軽に楽しむ方法から、お庭で少し本格的に挑戦する方法まで。まずは、代表的な3つの栽培スタイルを紹介しますね。ご自身の環境や「どこまで本気でやりたいか」に合わせて選ぶのが、成功の近道かなと思います。

バケツで稲を育てる方法

バケツで稲を育てる方法

もっとも手軽で、「庭で米を作る」という体験をするのに最適なのが、この「バケツ稲」です。直径30cm、容量10~15リットルくらいの標準的なバケツがあれば、日当たりの良いベランダでも始められます。

基本はバケツに水を張って育てる「湛水(たんすい)栽培」になるので、水管理がキモですが、その分「お米を育ててる!」という実感は一番味わえる方法ですね。

準備するもの

  • バケツ: 上記の通り、標準サイズでOK。
  • : 畑の土や山の土が理想ですが、入手が難しい場合は市販の野菜用培養土に「赤玉土(小粒)」や「荒木田土」を3割程度混ぜて、粘り気(水持ち)を良くします。
  • 肥料: 化成肥料(N-P-Kが8-8-8など同等のもの)を使います。
  • 種籾: 栽培したい品種の種籾。

初心者は「バケツ稲づくりセット」が確実!

土の配合や肥料の量、種籾の入手など、最初は何を揃えたら良いか迷うかなと思います。そういう方には、JA(農協)などが配布・販売している「バケツ稲づくりセット」を利用するのが一番確実です。

これには必要な種籾(コシヒカリなどが多いです)、肥料、そして詳しいマニュアルが全部入っているので、初心者の方には本当におすすめです。私も最初はこれから始めました。(出典:バケツ稲づくりに役立つ資料 - JAグループ

陸稲ならプランター栽培も可能

「バケツで常時水を張っておくのは、ベランダだとボウフラも心配だし、ちょっと管理が大変…」という方には、「陸稲(おかぼ)」がおすすめです。

これはその名の通り、水を張らず、野菜のように畑(プランター)で育てる稲のことです。水稲に比べて乾燥に強く、病害虫にも強い傾向があると言われています。

使う土も市販の野菜用培養土でOK。水やりも、土の表面が乾いたらたっぷりあげる、という一般的な野菜栽培と同じ感覚で大丈夫です。「農林24号」といった陸稲の品種を選ぶと、さらに育てやすいですよ。

水陸両用の「イセヒカリ」

品種選びで面白いのが「イセヒカリ」です。これは伊勢神宮の神田で、台風で周りのコシヒカリが全滅した中で2株だけが奇跡的に直立していたという逸話を持つ品種なんです。

このイセヒカリの最大の特徴は、水田でも畑でも育つ「水陸両用」の性質を持っていること。そのため、陸稲と同じようにプランター(野菜用培養土)で育てた実績も多く報告されています。ちょっとストーリーのあるお米を作ってみたい方にはピッタリかもしれませんね。

木枠で作る本格ミニ田んぼ

お庭にスペースがあって、「バケツじゃ物足りない!もっと本格的に収穫したい!」という上級者の方は、木枠で「ミニ田んぼ」をDIYするのも楽しいです。

地面を掘って防水シートを敷く方法もありますが、庭土は砂利が混じっていたり固かったりで、深く掘るのは重労働です。そのため、地上に木枠を組んで防水シートを敷く「レイズドベッド(立ち上げ花壇)」方式が現実的かなと思います。

設計と材料のポイント

SPF材などの安価な木材で枠を組みますが、そのまま使うとすぐに腐食してしまいます。木材の表面をバーナーで軽く焼いて「炭化」させておくと、耐水性・耐久性が格段に上がりますよ。

また、防水シートは#2000などの薄いブルーシートだと、ちょっとした石で穴が空いて水漏れしやすいです。#3000規格以上の厚手のものを選ぶことを強く推奨します。

設置の注意点

大量の土と水が入ると、その重み(水圧・土圧)で木枠は外側に大きく広がろうとします。枠の外側に土を盛って「土塁(どるい)」にするか、斜めに杭を打ち込んでしっかり補強することが絶対に必要です。これを怠ると、ある日突然「田んぼが決壊」なんてことになりかねません…

栽培に適した土とおすすめ品種

 

栽培に適した土とおすすめ品種

米作りは、どの栽培方法を選ぶかと同じくらい、土と品種選びも重要です。ここで手を抜くと、後々の管理が大変になったり、収穫にたどり着けなかったりします。

土選びのポイント(栽培方法別)

  • バケツ稲(水稲): 基本は「田んぼの土」です。水持ちを良くするために、「赤玉土(小粒)」や「荒木田土」をベースの土(畑の土や培養土)に3割ほど混ぜて、少し粘り気を持たせるのがコツです。
  • プランター稲作(陸稲): こちらは簡単で、市販の「野菜用培養土」で十分育ちます。水はけが良すぎる場合は、少し赤玉土を混ぜても良いかもしれません。

品種選びのポイント(目的別)

悩ましいのが品種選びです。例えば、JAのセットにも使われる「コシヒカリ」は、味は抜群ですが、実は「いもち病に弱く、倒れやすい」という、初心者にとっては少し難しい面も持っています。

家庭菜園の目標は「収穫までたどり着く成功体験」が第一かなと思います。もし自分で種籾を選ぶなら、味のブランド米も良いですが、病気や倒伏(稲が倒れること)に強い品種を選ぶのも賢い選択です。

「庭で米を作る」おすすめ品種特性マップ

主な品種の特徴をテーブルにまとめてみました。横にスクロールできます。

品種名 分類 主な特徴 栽培推奨環境
コシヒカリ 水稲 食味が非常に良い。病気に弱く倒れやすい。 バケツ稲(管理必須)
イセヒカリ 水陸両用 台風でも倒れなかった逸話。水田でも畑でも育つ。 バケツ、プランター、畑
農林24号 陸稲 病害虫や乾燥に強く、初心者向け。 プランター、畑(水管理が容易)
はるもに 水稲 3種類の病害虫に強い耐性を持つ。 バケツ、ミニ田んぼ(初心者推奨)
ときめきもち 水稲(もち) 倒れにくく、いもち病に強い。 バケツ、ミニ田んぼ(初心者推奨)

栽培時期と年間スケジュール

栽培時期と年間スケジュール

米作りは春から秋にかけての長期プロジェクトです。途中で息切れしないよう、全体の流れを把握しておきましょう。関東基準だと、だいたいこんな流れになります。

  • 4月上旬~中旬: 種籾の準備(塩水選、芽出し)
  • 4月下旬~5月上旬: 種まき、または田植え
  • 6月~7月: 生育期(分げつ)、水管理、中干し
  • 8月: 出穂(しゅっすい)・開花 一番水が必要な時期!
  • 9月下旬~10月: 落水(水を抜く)、稲刈り
  • 10月~11月: 乾燥(はさがけ)、脱穀、籾摺り

特に重要な「芽出し」や「田植え」のタイミングを逃さないよう、カレンダーで管理するのがおすすめです。この時期を逃すと、その後の生育すべてに影響が出てしまいますからね。

庭で米を作る管理と収穫のコツ

植えたら終わり、ではありません。むしろ、植えてからが本番です。特にバケツ稲は、水の流れがない「停滞水」になりがち。根腐れを防ぎ、元気な稲を育てるための管理テクニック、そして最大の敵であるスズメとの戦い、最後に収穫の全工程を紹介しますね。

最重要工程「中干し」とは

バケツ稲をはじめ、稲作の全工程で最も重要な作業が、この「中干し(なかぼし)」です。これをやるかやらないかで、秋の実りが天と地ほど変わってきます。

バケツに常に水を張っていると、確かに雑草は生えにくいですが、水が停滞することで土の中の酸素がなくなり、根が呼吸できずに「根腐れ」しやすくなります。このジレンマを一気に解決するのが中干しです。

中干しの目的と方法

茎の数が20本前後になった頃(7月頃)、一度バケツの水を全部抜きます。そして、雨の当たらない軒下などに移動させます。

  1. 酸素供給: 土を意図的に乾かすことで、土中に酸素を送り込み、根腐れを防ぎます。
  2. 根の伸長: 水を求めて根が土の奥深くへと伸びるよう促し、丈夫な株を作ります。
  3. 生育調整: 無駄な茎の増加(過剰な分げつ)を抑え、栄養をこれから作る「穂」に集中させるよう、稲の生育モードを切り替えます。

土の表面に軽くヒビが入るまで、天候によりますが1~3日ほどそのまま乾かします。

中干し後の水管理

乾かし終わった後、いきなり水を満タンに戻してはいけません。まず水深2cmほど水を入れ、その水が自然になくなったら、再び2cmの水を入れる…この「入れて、なくなり、また入れる」という作業(間断灌漑)を4~5回繰り返します。その後、再び水深5cmの通常管理に戻します。この一手間が、稲をものすごく強くするんですよ。

病気や害虫の農薬なし対策

家庭菜園ですから、できるだけ農薬は使いたくないですよね。幸い、お米の病害虫は、バケツやプランターレベルなら物理的な対策でかなり防げます。

主な病気(いもち病・ごま葉枯病)と予防

バケツ稲で発生しやすい病気の原因は、主に「湿気」と「栄養不足」です。

  • いもち病: 葉に斑点ができる代表的な病気。カビ菌が原因で、高温多湿を好みます。
  • ごま葉枯病: 葉にごま粒状の病斑ができます。土の養分不足が主な原因です。

これらの最大の対策は「予防」です。バケツを風通しの良い場所に置き、先ほどの「中干し」を適切に行い、土を健康に保つことが一番の薬になります。もし病気の葉を見つけたら、すぐにハサミで切り取って処分し、感染拡大を防ぎましょう。

主な害虫と物理的防除

  • ウンカ類、カメムシ類: 稲の汁を吸って弱らせる害虫です。もしウンカなどが発生したら、バケツの水面に食用油を数滴垂らしてみてください。そのあと稲の株を優しく揺さぶると、虫が水面に落ちて油膜で呼吸できなくなり、窒息します。これは農薬を使わない、とても効果的な方法です。
  • ニカメイチュウ(ガの幼虫): 茎の内部に潜り込み、中から稲を食べてしまいます。被害にあった茎は白く枯れてしまうので、見つけたらその茎ごと根元から切り取り、内部の幼虫ごと処分します。
  • コーヒー粕など: 害虫忌避として、使用済みのコーヒー粕を植物の周りに撒く方法も知られていますね。アブラムシなどを遠ざける効果が期待できます。

重要なスズメ対策の時期

重要なスズメ対策の時期

お米が無事实り始めた頃、最大の敵・スズメがやってきます。彼らは本当にお米をよく見ていて、その行動には特徴があります。

1. 偵察(出穂直後): 穂が出た直後、米がまだ白く(実ってない)時期に、少数の「偵察スズメ」が飛来し、場所を下見します。

2. 襲撃(成熟期): あの偵察スズメが「あそこの米が実ったぞ!」と判断すると、仲間を引き連れて大群で現れ、数日のうちに米を食べ尽くしてしまいます。

対策は「偵察」段階で!

 多くの人が2. の「襲撃」が始まってから慌てて対策しますが、それでは手遅れです。対策は、1. の「偵察」段階、つまり穂が出たら即座に行う必要があります。

 

具体的な防鳥テクニック

  • 防鳥ネット: 稲全体を覆うように網を張るのが最も確実です。隙間なく覆ってください。
  • テグス(糸): ネットが難しい場合、稲穂の上10cm~20cm間隔で糸(テグス)を張り巡らせるだけでも、スズメが羽に当たるのを嫌がり、侵入頻度を大幅に減らすことができます。

収穫(稲刈り)の目安

いよいよ収穫です。この瞬間は本当に感動しますよ。

収穫のサイン

収穫の目安は2つあります。

  1. 日数: 出穂(穂が出た日)から数えて40~50日後。
  2. 見た目: 穂全体の90%が美しい黄金色になった頃。

この両方を目安に、収穫日を決めます。

収穫前の準備「落水」

稲刈りの10日ほど前になったら、バケツの水を完全に捨てます。これは「落水(らくすい)」と呼ばれる作業で、収穫に向けて籾の水分量を減らす目的があります。水を捨てたバケツは、雨の当たらない軒下などに移動させ、土を乾かします。

稲刈りと乾燥(はさがけ)

土が乾いてから10日ほど経ったら、いよいよ稲刈りです。土(根元)から5cmほど上の位置を、文房具のハサミなどで刈り取ります。刈り取った稲は、数本ずつ束ねて根元を紐で縛り、ベランダの物干し竿などを利用して、穂を下にして吊るします。これを「はさがけ」と言います。

風通しの良い場所で、10日~2週間ほど(籾がカラカラになるまで)しっかり乾燥させます。この乾燥中もスズメは米を狙うため、軒下であってもネットをかけるなど、最後まで油断しないでくださいね。

最大の難関、籾摺りの方法

最大の難関、籾摺りの方法

さあ、ここが「庭で米を作る」プロジェクトの最大の難関、「籾摺り(もみすり)」です。乾燥させた稲の束から、実である「籾(もみ)」を外す作業(脱穀)は、茶碗や割り箸でしごけば簡単にできます。問題はその後です。

脱穀で集めた「籾(もみ)」は、まだ硬い「籾殻(もみがら)」に覆われており、このままでは食べられません。この籾殻を取り除き、「玄米(げんまい)」にする作業が「籾摺り」です。この作業が、本当に時間と労力がかかるんです。

手作業(すり鉢+野球ボール)

家庭でできる代表的な方法がこれです。

  1. 陶器製のすり鉢(ギザギザがついたもの)を用意します。
  2. 籾をひとつまみ(多く入れすぎないのがコツ)すり鉢に入れます。
  3. 軟式の野球ボール(ゴム製)を使い、籾に押し付けながら円を描くようにすり上げます。
  4. ボールのゴムの摩擦力で、籾殻が剥がれていきます。

すりこぎ棒でも代用できますが、硬い棒は米が割れやすいため、力加減に細心の注意が必要です。野球ボールの適度な弾力と摩擦力がベストなんですよね。

籾摺り後の仕上げと「精米」

籾摺りが終わると、玄米と籾殻が混ざった状態になります。これに息を「フーッ」と吹きかけると、軽い籾殻だけが吹き飛んでいき、重い玄米が残ります。

ここからさらに「糠(ぬか)」を取り除き、「白米」にする作業が「精米」です。手作業では、玄米をビンに入れ、すりこぎ棒のような木の棒で気長にトントンとつき続ける「ビン突き」という方法がありますが、市販の白米のように真っ白にするのは至難の業です。

手作業での精米は本当に大変なので、籾摺りを終えた「玄米」のまま炊いて食べるのが、最も現実的で、栄養価(ビタミン・ミネラルが豊富)も高いおすすめのゴールです。

庭で米を作る楽しみと現実

ここまで読んでいただいて、いかがでしたか?

「庭で米を作る」のは、正直に言って、食べるため(自給自自足)と考えると効率は良くないかもしれません。特に最後の籾摺りの大変さを知ると、「お店で買った方が早い」となるのは当然のことかなと思います。

でも、一粒の種籾が、芽を出し、茎を増やし(分げつ)、美しい緑の葉を広げ、やがて小さな花を咲かせ、黄金色の穂を垂れるまでのプロセスを、毎日間近で観察できるのは、本当に感動的です。これはもう、単なる家庭菜園を超えた、高度な園芸趣味であり、最高の「食育」かなと思います。

バケツ一杯からでも始められます。あくまで「育てるプロセスを楽しむ趣味」として、この奥深いプロジェクトに挑戦してみるのはいかがでしょうか。私も今年、また新しい品種(次は「はるもに」あたり)に挑戦してみようかなと思っています。

※本記事で紹介した栽培方法や病害虫対策は、あくまで家庭菜園レベルの一例です。使用する土や肥料、道具の安全性を確認し、ご自身の判断と責任において楽しんでくださいね。また、病害虫の防除方法については、お住まいの地域のJAや専門家のアドバイスも参考にしてください。

  • この記事を書いた人

なおと

はじめまして! 知識ゼロからDIYでの庭づくりに挑戦し、たくさんの失敗を乗り越えてきた経験を元に、初心者さんがつまずきやすいポイントを丁寧に解説しています。雑草だらけだった庭が、少しずつお気に入りの空間に変わっていく喜びを、あなたと分かち合えたら嬉しいです。 詳しいプロフィールはこちら »

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